中国はとても広い。各地域の食を探れば数えきれないほどの豊かな食材に、味や香りの幅の広さ。そして職人の技にも色々な手法がある。包丁さばき以外にも、例えば粉をこねて、ひねったり、伸ばしたり。

本場の職人の技や味を、気軽に日本で楽しめるのはやっぱり嬉しい。

宮城県松島町の普賢堂地区にある、町の中華屋さん「中華料理 香満園（こうまんえん）」では、ラーメン以外のメニューは全てお持ち帰り可能。

『ああ、餃子が食べたいなあ』そう思ったらフラリと立ち寄って店内で注文。予約をしなくても少し待てば美味しい味を自宅で楽しめる。

香満園のメニューは種類豊富なので、どれを食べようか迷う工程も心躍る時間。頭の中と胃袋も、一緒に腕組みするようにして集中して悩むのがいい。

今回は「手作り餃子」に決定！

焼き立てをすぐに店内で食べるのは、もちろん美味しい。だけど、わざわざお持ち帰りにする理由は、お店の美味しい味をちょっと先延ばしにすることで、「お楽しみ時間」を長く味わえるから。

それはなんだか、楽しみにしていた遠足が雨で延期になった時の気持ちとは、ちょっと違う。いちごショートケーキの「苺」を、最後に食べるような、自分で楽しみをとっておく感じ。

『さあ、食べるぞ！』と箸で餃子を持ち上げれば、ゴロンと大きめで嬉しい重み。

皮はつるんとした薄皮タイプではなく、ちょうどいい厚みでもっちり感と、焼き目のカリッとした食感の両方を味わえる。

心地良い皮の弾力のあとには、じゅわっと中から肉汁と野菜たちが顔を出す。

醤油や酢、ラー油など調味料のサポートがなくても、ほんのり餃子自体に味があるから、たとえばお持ち帰りの道中に待ちきれなかった場合、パクッとそのまま食べても美味しい。

町の中華屋さんの味を、お持ち帰りする理由。
それはお楽しみの時間をぐーんと広げられる、ちょっとしたこと。

待ち焦がれた味は、やっぱり最高に美味しくて幸せだぞ。