2022年全米プロはタイガー・ウッズや松山英樹の優勝に期待が膨らむ「あのコース」になる!?
開催地が宙に浮いてしまっていた2022年の全米プロの舞台の候補地に、オハイオ州アクロンのファイアストンCCが名乗りを上げ、有力視されている。同州の地元紙「アクロン・ビーコン・ジャーナル」が明かし、米ゴルフ関連メディアが驚きまじりで続々報じて大きな話題になっている。
【なぜ、開催地が変更?】
そもそも、2022年の全米プロ(5月19日~22日)はニュージャージー州にあるトランプ・ナショナルGCベッドミンスターで開催されるはずだった。自身のゴルフコースで男子のメジャー大会を開くことは、ドナルド・トランプ前大統領の長年の夢でもあった。
しかし、トランプ支持者たちによる米連邦議会議事堂突入の暴動が起こった直後、全米プロの主催者であるPGAオブ・アメリカは、代替開催地が決まっていないにも関わらず、トランプ・ナショナルGCベッドミンスターを2022年大会の開催地から除外することを決め、すぐさま発表に踏み切った。
その際、巷では、オクラホマ州のサザンヒルズやNY郊外のリバティ・ナショナルGCが代替候補ではないかと噂されていた。
だが、ここへ来て、メジャー大会やビッグ大会を何度も開催してきたファイアストンが候補地として手を挙げていることがわかり、米ゴルフ関係者は優勝候補にまで予想を膨らませつつ、大きな期待を抱いている。
【ウッズ8勝、松山が直近で最後に勝った場所】
ファイアストンといえば、1960年、1966年、1975年に全米プロを開催した実績がある。ちなみに1975年大会の優勝者はジャック・ニクラスだった。
メジャー大会ではなくても、1954年からは米ツアーのラバー・シティ・オープンの開催地となり、1962年から1998年まではNECワールド・シリーズ・オブ・ゴルフを開催。そして1999年から2018年までは世界選手権シリーズのWGCブリヂストン招待の舞台になった。
その間、タイガー・ウッズはこの地で合計8勝を挙げ、ファイアストンはウッズと最も相性のいいコースの1つと謡われている。
そして2017年大会では、松山英樹が見事な優勝を飾り、満面の笑顔を輝かせた。現時点では、それが松山が米ツアーで挙げた最後の優勝となっているが、いい思い出を抱くこの地で開かれる全米プロとなれば、松山のメジャー優勝への期待は自ずと膨らんでくる。
米国や世界のゴルフファン、そして何よりファイアストンは、「相性抜群」であるはずのウッズのメジャー優勝を再び自分たちのゴルフコースで見たいと願っている。
折りしもウッズは、昨年12月末に自身5度目の腰の手術を受け、現在はリハビリ中だ。「スピーディーな回復が見込める」と医師団は語っており、周囲はその言葉を信じて戦線復帰を待つしかないが、すでに45歳のウッズがメジャー勝利数を16、17へ、そしてニクラスと並ぶ18へと伸ばせるチャンスや可能性は、当然ながら年齢とともに縮小している。
46歳で迎える2022年全米プロが、少しでもウッズ優勝の可能性が高まりそうな場所で開催されるとしたら、それは大勢のファンにとって朗報となる。
ファイアストンは2019年から4年契約でシニアプレーヤーズ選手権の舞台になっており、2022年はその最後の年となるため、ビッグ大会を年間に2つも開催することになるが、過去にも年間に複数の大会を開いてきたファイアストンは「ハンドリングできる。問題ない」と自信を示しているという。
「是非と2022年全米プロをファイアストンで開催したい。すばらしいチャンピオンシップにしたい」と、ファイアストンを所有するクラブコープのCEO、デビッド・ピルスベリー氏は熱く語ったそうである。地元アクロンでは多くの住人がゴルフを愛しており、ボランティアなども「一声かければすぐに集まる」という。
開催コースや開催地の「やる気」は、大会を成功に導く何よりのチカラになるはずである。是非とも、ファイアストンが舞台になる全米プロを見てみたい。