【八千代市】阿武松部屋慶天海関 新たな人生に向けて断髪式 怪我に泣いた16年間の力士人生に幕
2024年6月23日(日)、阿武松部屋所属力士・慶天海(けいてんかい)関の断髪式が都内のホテルにて執り行われました。
当日の天候は朝から強めの雨でしたが、式の始まる頃には明るい空が広がり、まるで慶天海関の未来を祝福するかのようでした。「お相撲さんは『もっている』」という言葉を実感させるような、断髪式の幕開け。
慶天海関はこれまでに、八千代市内のイベントに参加したり施設を訪れ、地域の子どもたちからお年寄りまで多くの人々と触れ合う機会を提供してきました。
お年寄りはテレビでしか見た事のないお相撲さんに会うだけで「元気がもらえる」「長生きできる」と大層嬉しそうにしていました。
八千代市内でも数箇所でお別れ会が開かれたことから、慶天海関のお人柄が伺えます。
慶天海関は八千代市から遠く離れた鹿児島県大島郡瀬戸内町出身で、3歳から相撲を始め、相撲人生は約30年。力士人生は16年と、人生のほとんどを相撲に捧げてきました。
中学校時代に実力を買われ、相撲の名門「埼玉栄高校」の顧問が足繁く奄美大島に通い口説き、相撲留学。現役時代はケガに泣かされた人生でしたが、この度新たな人生を歩む事に。
断髪式が始まる前は仲の良い力士と笑顔で談笑する場面も見られましたが、いざ式が始まるとずっと緊張の面持ち。さまざまな来賓の方の挨拶が続いた後、いよいよ断髪の瞬間が訪れます。
断髪直前の、親方と髷姿の最後の一枚。
慶天海関と関わったたくさんの方々による鋏入れが行われ、最後は親方による止めばさみで髷が落とされました。
整髪を終え、再び登場した慶天海関は「慶 孔晴(けい こうせい)」として、これまでの感謝と新たな人生への決意を述べました。
同郷で幼馴染の奄美大島の歌姫・城 南海(きずき みなみ)さんによる「アイツムギ」が披露され、聞き入る慶天海関と心を込めて歌う奄美大島の歌姫。素晴らしい歌声に、慶天海関だけでなく会場全体が感動の涙を浮かべました。
恩人である埼玉栄高校相撲部の山田道紀監督からの花向けの言葉では「海の綺麗な奄美大島から海のない遠い埼玉県に来てくれて感謝しています。お父さん譲りの実力のあるこの子を育ててみたいと思いました。高2からレギュラーになってインターハイも団体優勝のメンバー。キャプテンとして優勝に導いてくれた素晴らしい思い出があります。
阿武松部屋に入ってからトントン拍子で十両に上がったが大怪我をして本当に苦労した。それでも元関取であるという事、ひと場所でも関取になった事を誇りに、謙虚に生きていって欲しい。そういう人生には値打ちがある。35歳からの新米人生は厳しいと思うが皆さんに恩返しできる男になって欲しい。」という激励の言葉に、慶天海関の未来への期待が込められていました。
今後はその優しい性格と体力を活かし、葬祭業に就く予定とのこと。式の最後は賑々しく一本締めで幕を閉じました。
約30年間の相撲人生と16年間の力士人生を経て、新たな第二の人生が始まります。元・慶天海関こと慶 孔晴さんのこれからの人生も、阿武松部屋も、変わらず応援していきましょう!
◆阿武松部屋◆
住所:習志野市鷺沼5丁目15−14