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帰省先・旅先でこどもの体調不良 自己負担した処方薬代を取り戻す方法

高垣育薬剤師ライター、国際中医専門員
(写真:アフロ)

夏休みです。帰省や旅行などの予定が控えている人も多いのではないでしょうか。休暇中に気をつけたいのが、帰省先などでお子さんが体調をくずしてしまったときの薬局での薬代です。お住いの自治体以外で処方箋の薬をもらった場合、窓口での自己負担金が発生してしまうためです。しかし、これは後日手続きをすれば取り戻すことができます。申請の仕方などをみていきましょう。

帰省先や旅先で処方薬をもらうと、こどもでも自己負担が発生

近所のかかりつけの病院で処方箋を受け取り、薬局で薬をもらうとき、お子さんの年齢やお住いの自治体にもよりますが基本的に薬代の自己負担はありません。

これ は、自治体の医療費助成制度のおかげです。健康保険に加入している保護者などが支払う自己負担分を自治体が助成制度によって支払ってくれているためです。

しかし、たとえば東京都に住んでいる人が帰省先の北海道で薬をもらうときは薬代がかかります。

医療費助成制度はそれぞれの自治体独自 の取り組みで、お住いの自治体以外では受給者証を使うことができないからです。そのため、薬局の窓口ではいったん自己負担分のお薬代を支払う必要があります。

支払った自己負担分のお薬代を取り戻す方法

帰省先や旅先では医療証を使うことができず、いったん自己負担分を支払うことにはなりますが、お住いの自治体以外で受けた医療費でも助成を受けることができます。忘れずに手続きをしましょう。

【用意するもの】

・医療助成費の支給を受けるための申請書

・医療証に記載されている被保険者名義の助成費の振込先口座が分かる書類(キャッシュカード、通帳など)

・医療証

・薬局の領収書 など

自治体によって申請に必要な書類の種類や、認印が必要など持ち物が異なります。スムーズに手続きを済ませるには、お住いの自治体のホームページなどで確認しながら準備するのがおすすめです。

帰省先や旅先から帰ってくると、ほっとして手続きをするのを後回しにしてしまうかもしれませんが、受診した日からの申請期限が定められています。忘れないうちに、早めに手続きをすることがすすめられます。

■参照

薬剤師ライター、国際中医専門員

2001年薬剤師免許を取得。2017年国際中医専門員の認定を受ける。調剤薬局、医療専門広告代理店等の勤務を経て2012年にフリーランスライターとして独立。薬剤師とライターのパラレルキャリアを続けている。愛犬のゴールデンレトリバーの介護体験をもとに書いた実用書「犬の介護に役立つ本」(山と渓谷社)の出版を契機に「人」だけではなく「動物」の医療、介護、健康に関わる取材・ライティングも行っている。

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