暑さ記録ずくめ “126年で最高の夏”
今年の夏は異例の暑さとなりました。2023年夏(6月1日~8月24日)の日本の平均気温の基準値からの差はプラス1.78度(筆者まとめ)となり、夏の気温としては統計を開始した1898年以降の126年間で最も高くなりました。
また、日最高気温35度以上の猛暑日も非常に多くなりました。全国で猛暑日となった地点数の積算は6,236地点(8/26まで)で、1976年以降で最も多かった2018年と並ぶ最多ペースとなっています。
エルニーニョでも暑い夏
長く続いたラニーニャ現象が終息し、この春は4年ぶりにエルニーニョ現象が発生しました。エルニーニョ現象は世界的な異常気象を引き起こす現象として知られていて、夏に発生した場合、日本は冷夏になる可能性がかなり高くなります。
しかし、結果的には記録ずくめの暑い夏となり、エルニーニョ現象=冷夏・長雨のイメージが崩れた年になりました。
トリプル台風、日本に影響
猛暑が続くなか、3つ目の台風が発生する可能性が高くなっています。27日現在、マリアナ諸島にある熱帯低気圧が発達を続けていて、今後24時間以内に台風となり、1日には日本の南海上に達する見通しです。
台風の発生で暑さにも変化が現れるでしょう。これまで(上図8/22~26)は高気圧が北日本に張り出し、暖かい空気が広い範囲に流れ込みました。
しかし、今後(下図8/31~9/4)は高気圧が東海上に移動し、日本の南は熱帯じょう乱による低気圧性循環偏差が明瞭になる見通しです。暖かい空気が流れ込む一方で、太平洋側は雨が降りやすくなるでしょう。
いずれは秋になりますが、年々暑さの終わりが遅くなっているように感じます。これが世界気象機関(WMO)のいう「異常気象は新たな日常」なのでしょうか。
【参考資料】
気象庁ホームページ:気温・降水量の長期変化傾向
気象庁:「平成30年7月豪雨」及び7月中旬以降の記録的な高温の特徴と要因について、2018年8月10日
世界気象機関(WMO):Extreme weather is the "new norm"、22 August 2023