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防災の日 考えておきたい「警報慣れ」

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
(写真:アフロ)

「防災の日」から始まる9月は、秋雨前線の大雨や台風により、警報が多く出る時期です。警報が出た時、みなさんは何かアクションをしていますか?

気象警報の発表回数が増えている

内閣府の防災白書によると、気象庁が発表する警報の回数は近年、増えています。

年によって増減はあるものの、2000年が997回、2006年が1852回、2012年度は2933回です(全国/警報全種類)。

特に2010年からは、市町村ごとに細かく発表されるようになり、テレビの速報スーパーなどで各地に出る警報を目にすることが多くなりました。

「また出た」といったような、ある種の「警報慣れ」をしている人は増えていないでしょうか。

07年までは1月~12月、08年からは4月~翌3月の合計。内閣府「防災白書」より。
07年までは1月~12月、08年からは4月~翌3月の合計。内閣府「防災白書」より。

「特別警報」ができて以降の警報は?

さらに、2013年からは警報より上の「特別警報」が発表されるようになり、警報が軽視されているのではないかという懸念があります。

災害が起こったあと、「特別警報が出ていれば」という声があがることがあります。ただ、警報で何もアクションしていない人が、特別警報で必ず動けるのでしょうか。

特別警報ができても、警報の発表基準は変わっていません。「重大な災害が起こるおそれ」のある時に発表される情報です。

警報を“既読スルー”しないで

警報が出るたびに、ただちに避難行動に移るのは現実的ではないかもしれません。ただ、警報が出るということは、荒天が近くで起こっている可能性が高い状況です。

災害から身を遠ざける方法は、まず「知る」ことです。

「あっ、警報出た」「また出た」で済ませるような既読スルーをせず、「今どういう状況なのか」を気象レーダーのサイトなどで調べる。そういった“最低限のアクション”の習慣づけが大事だと思います。

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気象庁防災情報

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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