防災の日 考えておきたい「警報慣れ」
「防災の日」から始まる9月は、秋雨前線の大雨や台風により、警報が多く出る時期です。警報が出た時、みなさんは何かアクションをしていますか?
気象警報の発表回数が増えている
内閣府の防災白書によると、気象庁が発表する警報の回数は近年、増えています。
年によって増減はあるものの、2000年が997回、2006年が1852回、2012年度は2933回です(全国/警報全種類)。
特に2010年からは、市町村ごとに細かく発表されるようになり、テレビの速報スーパーなどで各地に出る警報を目にすることが多くなりました。
「また出た」といったような、ある種の「警報慣れ」をしている人は増えていないでしょうか。
「特別警報」ができて以降の警報は?
さらに、2013年からは警報より上の「特別警報」が発表されるようになり、警報が軽視されているのではないかという懸念があります。
災害が起こったあと、「特別警報が出ていれば」という声があがることがあります。ただ、警報で何もアクションしていない人が、特別警報で必ず動けるのでしょうか。
特別警報ができても、警報の発表基準は変わっていません。「重大な災害が起こるおそれ」のある時に発表される情報です。
警報を“既読スルー”しないで
警報が出るたびに、ただちに避難行動に移るのは現実的ではないかもしれません。ただ、警報が出るということは、荒天が近くで起こっている可能性が高い状況です。
災害から身を遠ざける方法は、まず「知る」ことです。
「あっ、警報出た」「また出た」で済ませるような既読スルーをせず、「今どういう状況なのか」を気象レーダーのサイトなどで調べる。そういった“最低限のアクション”の習慣づけが大事だと思います。