Yahoo!ニュース

【オートバイのあれこれ】80年代のホンダを彩った、V4スポーツ。

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイクファンへ送るこのコーナー。

今日は「80年代のホンダを彩った、V4スポーツ。」をテーマにお送りします。

ホンダにとって、1980年代は“V4の時代”だったといえます。

▲長円ピストンのV型4気筒エンジンを搭載したNR500。跨っているライダーは片山敬済氏だ
▲長円ピストンのV型4気筒エンジンを搭載したNR500。跨っているライダーは片山敬済氏だ

オーバルピストンという空前絶後のメカニズムを持ったレーシングマシン『NR500』の開発で得たノウハウを基に、ホンダは水冷V型4気筒エンジンを搭載した市販モデルを精力的に作り始めました。

最初に完成した市販V4マシンが1982年(昭和57年)4月登場の『VF750セイバー/マグナ』。

▲VF750 SABRE
▲VF750 SABRE

▲VF750 MAGNA
▲VF750 MAGNA

市販車史上初の水冷V4マシンは、このセイバーとマグナでした。

そして、それから約8ヶ月後の82年末に現れたのが、本格派スポーツモデルの『VF750F/400F』です。

▲VF750F。ホンダ初の本格派V4スポーツモデルとなった
▲VF750F。ホンダ初の本格派V4スポーツモデルとなった

VF750Fはそれまでのフラッグシップだった『CB750F』よりも2ps高い72psを発揮し、またフレームも当時のレーシングマシンで主流だった角型パイプが使われていました。

その他、エンジンブレーキが激しすぎるというNR500の課題を解決するために考案されたバックトルクリミッター機構が内蔵されたことなどもポイントで、VF750Fは先出のセイバー/マグナ以上にNR500からのフィードバックが多かったマシンと言えるかもしれません。

▲VF400F。CBX400Fをも上回るハイスペックを備えていた
▲VF400F。CBX400Fをも上回るハイスペックを備えていた

VF400Fは、兄貴分の750Fほど先進装備で固められてはいなかったものの、エンジンパワーは当時クラストップの53psを発揮。

発売直後からそのハイスペックが話題となった『CBX400F』の48psをも完全に上回っていたのです。

V型エンジンを搭載していたVF750F&400Fは共に「ホンダの新世代スポーツバイク」として注目を集めたのですが、中型二輪が主流の当時において、特に人気を博したのが400Fのほうでした。

▲84年にはフルカウルをまとった『VF400F インテグラ』もラインナップ
▲84年にはフルカウルをまとった『VF400F インテグラ』もラインナップ

デビュー翌月の83年1月には早くも月間登録台数で400ccクラスの首位を獲得し、さらにそこから3ヶ月間はその位置をキープ。

結果的に400Fは83年度のベストヒットモデルとなり、ホンダのV4戦略は中型クラスにおいてひとまずの成功を収めたのでした。

この後、750Fがかの有名な「RC30」(『VFR750R』)へ進化していくのと同様に、400Fも『VFR400R』そして『RVF400』へと発展していくことになります。

▲VFはやがてVFRシリーズへと進化していった
▲VFはやがてVFRシリーズへと進化していった

画像引用元:本田技研工業

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

Rotti.の最近の記事