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ドイツのグループ「移民や難民による犯罪マップ」作成:ケルン集団暴行事件から1年

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

ドイツのXYEinzelfallというグループが2016年12月に移民や難民による犯罪と思われる場所を示した地図をGoogleマップを基に作成した。下記にXYEinzelfallのTwitterの埋込からも地図を見ることができる。

地図は2016年に報じられたニュースや警察の情報を元に作成。地図にはそれぞれ女性への暴行、殺人、盗難、放火など犯罪種別によってマークされている。マークをクリックすると犯罪のニュースにリンクされている。縮尺の小さなGoogleマップではもはやドイツの場所が見えないくらいに犯罪で埋まっている。移民や難民キャンプの近くに犯罪が集中しているようだ。

2015年にはシリアや中東から110万人以上の移民がドイツに入ってきた。それに伴って犯罪も増加、ドイツ人の不安や不満も増加している。特に2015年12月31日の大晦日には、ケルンでアラブ系・北アフリカ系の約1,000人による女性への強盗、暴行事件というドイツ史上でも最悪の事件が起きており、ドイツ人の移民や難民に対する怒りが爆発した。それから1年が経ったが、移民や難民への不安や不満は沈静化するどころか増大している。2016年も移民や難民による犯罪は40%増加。特に2016年10月にはドイツの難民施設でボランティアをしていた欧州委員会高官の娘で19歳のMaria Ladenburgerさんが2015年11月にドイツに移民としてやってきたアフガニスタン系の17歳の男子に暴行、殺害された事件はドイツだけでなく欧州中に衝撃を与えた。

XYEinzelfallはドイツのメディアが移民や難民の犯罪を報道しないことから、地図を作成したとのこと。メルケル首相にもケルンだけでなく、ドイツ全土で移民や難民に対してドイツ国民が不安や脅威を感じていることを知ってもらいたいと述べている。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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