Yahoo!ニュース

3月末時点の日本国債の保有者、日銀が保有額を減少、銀行が保有額を増加

久保田博幸金融アナリスト
(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

 日銀は6月27日に2024年第1四半期の資金循環統計(速報)を発表した。

資金循環統計(速報)(2024年第1四半期)及び遡及改定について

https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sj.htm

 3月末の個人の金融資産額は、 2199兆1437億円となり 6四半期連続で過去最高を更新した。個人の金融資産の内訳は、現金・預金が前年比で1.1%増の約1118兆円。株式等は同33.7%増の約313兆円、投資信託は同31.5%増の約119兆円となっていた。

 これを基にして国債(短期を除く)の保有者別の内訳を算出してみた。2024年3月末時点の国債残高は1082兆0506億円となっていた(この統計では時価総額となっている)。保有者別の内訳は下記の通りとなる。

中央銀行(日銀)、576兆1836億円、53.2%

保険・年金基金、229兆2653億円、21.2%

預金取扱機関(銀行)、100兆5589億円、9.3%

海外、70兆1344億円、6.5%

公的年金、54兆4970億円、5.0%

家計、13兆5410億円、1.3%

その他、37兆8704億円、3.5%

 日銀の国債保有比率は53.2%と前回の53.8%から低下した。前期比での保有額そのものは約5.1兆円減となっていた。預金取扱機関が約7.9兆円増となっていたが、今後は銀行など預金取扱機関の保有残高が大きく増加するとみられる。

 短期債を含めた国債全体の数字でみると3月末の残高は約1224兆円。このうち日銀が約580兆円で47.4%のシェアに。海外勢の残高は約168兆円と短期債を含めると国債全体の13.7%のシェアとなっていた。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

牛さん熊さんの本日の債券

税込1,100円/月初月無料投稿頻度:月20回程度(不定期)

「牛さん熊さんの本日の債券」では毎営業日の朝と引け後に、当日の債券市場を中心とした金融市場の動きを牛さんと熊さんの会話形式にてお伝えします。昼には金融に絡んだコラムも配信します。国債を中心とした債券のこと、日銀の動きなど、市場関係者のみならず、個人投資家の方、金融に関心ある一般の方からも、さらっと読めてしっかりわかるとの評判をいただいております。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

久保田博幸の最近の記事