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NY金20日:利上げ警戒で大幅続落、09年2月以来の安値更新

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

COMEX金8月限 前日比25.10ドル安

始値 1,132.40ドル

高値 1,132.50ドル

安値 1,080.00ドル

終値 1,106.80ドル

米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ着手時期が近づく中、投機筋からの売り攻勢が一段と強くなり、2009年2月以来の安値を更新した。

何か特に大きな材料があった訳ではないが、最短で9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ着手が行われるとの見方も浮上する中、金市場における買いポジション整理を進める動きが優勢に。イエレンFRB議長は先週の議会証言において、年内の利上げ見通しを再確認したのみだったが、マーケットでは予想以上に利上げに前向きな発言が見られたとの評価が優勢であり、投機売りが勢い付いている。

セントルイス連銀のブラード総裁は、9月に利上げが行われる確立は五分五分を上回っていると発言するなど、当局者からも早期利上げの可能性を示唆する発言が聞かれたことが、売り安心感を強めている。金上場投資信託(ETF)市場でも換金売り圧力が強くなっており、アジア現物買いは拡大しているものの、需給要因からボトム確認を促すことには失敗している。

本日の安値1,080.00ドルはテクニカル主導で瞬間的に形成されたものに過ぎないが、その後も断続的に売り圧力が強くなっていることを考慮すれば、1,100ドル割れ定着から一段安を打診する展開が維持されよう。相場の下げ止まりには鉱山部門における減産対応が必要不可欠であり、16年中に予想されている生産調整の動きが価格低下によって前倒しされるか否かに注目したい。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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