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[ 日光市】世界遺産山内の風雅な茶寮「大光坊」日光の老舗の味を一度に楽しむランチ&甘味

フルリーナYocライター/音楽講師/作詞家(日光市・鹿沼市・益子町・那須町)

世界遺産日光の社寺。その観光エリアの真っ只中にありながら、別天地のような静寂に包まれた美しい茶寮があるのをご存じですか? その茶寮は「山内茶寮 大光坊」。風雅な庭園を眺めながらおいしい湯波料理や甘味を楽しめます。料理や甘味に使われるのは、日光が誇る老舗の湯波や羊羹・饅頭。四季折々の美しい庭園を眺めながら、老舗の味を一度に楽しめる、とっておきの茶寮です。

世界遺産日光の社寺・その山内に佇む風雅な茶寮

山内茶寮 大光坊は、同じ世界遺産エリアにある評判のステーキレストラン、「妙月坊」を経営する『和智』の2店舗目となるお店。歴史ある大光坊跡に、ひっそりと佇ずむ美しい茶寮です。

玄関の横には、和情緒たっぷりの筧(かけひ)と蹲(つくばい)も。筆者が初めて訪れた6月には、あじさいの花がつくばいに浮かべてありました。

玄関を入ると、左右に部屋があります。

左に曲がると、庭園を望む広い和室と広縁。

右手の暖簾をくぐると・・・

こちらはアンティークなテーブル席のお部屋。お座敷席もテーブル席も、風雅な庭園を窓辺に映します。

ゆったりと楽しめる食事や甘味

山内茶寮 大光坊では、日常や旅の喧騒を離れて、ゆったりと流れる美味時間を心ゆくまで楽しめます。

大光坊で楽しむお食事&甘味

ここからは、筆者が何度か楽しんだランチと甘味をご紹介しましょう。

食前のお酒やジュースなどのドリンクメニューも、素晴らしいセレクト。天保13年の創業・日光市の渡邊佐平商店「純米吟醸 日光誉」や「京都麦味 抹茶ビール」、栃木県小山市小林酒造の「鳳凰美田 PREMIUM 葡萄ジュース」など、厳選された逸品が揃います。

筆者は「鳳凰美田 PREMIUM 葡萄ジュース」をチョイス。葡萄の豊かな風味が凝縮された、濃厚で芳醇、かつ爽やかな素晴らしい味わいのジュースでした。

【大光坊のお食事メニュー】

大光坊のお食事メニューでは以下の日光の老舗の味を一度に楽しめます。
日光湯波:海老屋(創業明治5年)・ふじや(創業明治元年)
酒まんじゅう:湯沢屋(創業文化元年)
日光しそ巻唐辛子:落合商店(江戸末期~明治初期からしそ巻き唐辛子を作り始める)
山椒:柏崎商店(創業昭和33年)
小菓子(水ようかん):三ツ山羊羹本舗(創業明治28年)

<湯波膳>

大光坊の筆者一番のおすすめメニューは「湯波膳」。

写真提供:山内茶寮 大光坊
写真提供:山内茶寮 大光坊

日光の老舗4店舗の味を一度に楽しめる、贅沢な御膳です。お出汁のよく効いた季節の炊き込みご飯と、お汁が付きます。筆者が訪れた6月は、日光の郷土料理の筍と豆腐を使ったお味噌汁「筍腐汁」で、とても美味しかったです。

トロトロの生湯波は創業明治元年「ふじや」のゆばトロ。その名の通り口の中でトロリととろけるクリーミーで滑らかな生湯波です。

フワフワに炊いた揚巻湯波は老舗「海老屋長造」製。お出汁が優しくて深みのあるお味です。

この日はメニュー表にある胡麻豆腐ではなく揚げ出し豆腐でしたが、外はカリっと中はフワフワの食感でとても美味しかったです。お出汁がまた、いいお味! 自家製の胡麻豆腐も美味しいと評判なので、次回は胡麻豆腐も食べてみたいです。

香の物は日光しそ巻唐辛子と山椒。箸休めに最適な、日光が誇る香の物です。

<生湯波丼>

生湯波が好きな方はこちら「生湯波丼」がおすすめ。

とろ~りなめらかな「ふじや」製ゆばトロを堪能できる丼です。

ふじやの「ゆばトロ」は、1番最初にできる生湯波をたっぷりの豆乳の中に浸したもの。ご飯に乗せる直前まで豆乳に浸されているのでトロットロです。ゆばトロの量もたっぷりで、香り豊かなわさびとコクのある醬油が、ゆばトロの味わいを深めます。

<饅頭茶漬け 文人趣味>森鴎外が愛したミスマッチメニュー

筆者が「大光坊」初訪問の時、一番興味をそそられてチョイスしたのが「饅頭茶漬け 文人趣味」。森鴎外がこよなく愛したという、お饅頭のお茶漬けです。

お饅頭は湯沢屋の酒饅頭。糀醗酵力を利用して作る皮はほんのりお酒のいい香りがします。お茶をかけると、お饅頭がいっそうふっくらとやわらかくなります。初めての饅頭茶漬け、脳内シュミレーションができないメニューだったのですが、これが美味しかった!

このお茶漬けには、ちょっとしたヒミツが隠されています。甘いお饅頭のお茶漬けなのに、ほのかに塩気が感じられて、何とも美味なのです。お店の方に聞いてみたら、なんと、下に敷かれているご飯の下に出汁を少々入れているんだそうです。

出汁の塩気と餡の甘さ、饅頭の皮のお酒の香りとお茶の香りとほのかな苦み・・・見事な味のハーモニーに脱帽です。

食事のメニューには、食後の小菓子と静岡川根茶、または珈琲がつきます。
小菓子は三ツ山羊羹本舗の水ようかん。甘さ控えめの口どけの優しい水ようかんです。

【大光坊の甘味メニュー】

大光坊では甘味でも日光老舗の味を存分に楽しめます。老舗の味が一つの器の中で奏でるのハーモニーの、何と甘く美しいこと!

<山内パフェ>

アイスクリーム好きにおススメは「山内パフェ」。

香り豊かな抹茶プリンの上に、湯沢屋のこし餡・三ツ山羊羹本舗の水羊羹、生クリームがたっぷりと乗っています。

パフェの裏側には、バニラアイス&ほうじ茶のアイス。ほうじ茶の深みのある香りが水ようかん&あんこの甘みとよく合います。

<大光坊あんみつ>

大光坊あんみつは、普通のあんみつとは一味も二味も違います。

まず大きな違いは、寒天の代わりに大光坊特製の水ゼリーが使われているのです。日光の水は、日光連山の伏流水から生まれる清らかでおいしい水。その日光の自然の恵みを閉じ込めた日光銘水で作る水ゼリーは、プルンと滑らか、驚きの美味しさです。

そして、もう一つの大きな違いは、あんこのみならず羊羹も乗っていること!滑らかな湯沢屋のこし餡と、くちどけの優しい三ツ山羊羹本舗の水ようかん。どちらも小豆の美味しさをしっかりと感じられ、甘さも控えめなので、飽きるということがありません。

そこに湯沢屋の杏と琥珀糖!柚子の香りと杏の酸味がキラリ・キリリと爽やかなアクセントになっています。

<饅頭ぜんざい><抹茶とお菓子>

その他にも、湯沢屋の酒饅頭とあんこで楽しむ「ぜんざい」や、湯沢屋の酒饅頭or三ツ山羊羹本舗の水ようかんと、宇治抹茶のセットメニューもあります。

抹茶とお菓子以外の甘味には、すべて、お替りもできる静岡川根茶、または珈琲が付いてきます。どちらも香り豊かで、甘味の美味しさをひき立ててくれます。

食卓を彩る美しき器たち

山内茶寮 大光坊では、食卓を彩る器も存分に楽しめます。
漆器は、宇都宮を拠点に活躍する漆作家親子、宮原隆岳(みやはら りゅうがく)氏・楓翠(ふうすい)氏の作品。磁器は「やいた応援大使」の設楽享良(したら たかよし)氏の作品。益子焼は濱田庄司に師事した明石庄作氏の作品、いずれの作家さんも、県内外の数々の展覧会で入選・受賞を果たしている素晴らしい芸術家たち。ガラスなどはアンティークの物を使っています。その美しい器でいただく、美味しい料理と甘味。何と贅沢なひと時でしょう!

四季折々に美しい庭園も楽しんで

日光を代表する老舗の味を、庭園の緑を楽しみながら味わう、極上のひと時。

緑の季節が過ぎると、紅葉の季節。和室からは2方に広い窓が広がっているので、絵のように美しい紅葉も楽しめます。寒い冬の、凛とした白銀の世界もまた素敵です。

ぜひ四季折々の景色も楽しみながら、大光坊&日光老舗の味、そして時を超えて流れる大光坊跡&大光坊の美しい時間を、ゆたりと楽しんでくださいね。

山内茶寮 大光坊
所在地:日光市山内2366
TEL:0288-25-6560
営業時間:11:00~17:00 (LO 16:00)
定休日:水曜日
アクセス:東武バス「神橋」下車徒歩5分。世界遺産めぐりバス ホテル清晃苑前下車徒歩1分

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ライター/音楽講師/作詞家(日光市・鹿沼市・益子町・那須町)

自然と美味しいものが大好き。92歳のばばちゃまをのせた車いすを押して、心に響く風景や美味しいものを求めて、あちこち出没しています。Yahooエキスパート、日光市観光協会公式WEB「日光旅ナビ」、トラベル.jp、その他多数の旅行・グルメ情報webサイトに寄稿しています。

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