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穀物相場が反騰、物価への影響にも注意

久保田博幸金融アナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

 穀物相場が反騰している。小麦の世界最大の輸出国であるロシアで霜害が発生、大豆の収穫が進むブラジル南部では洪水がおきた。想定外の供給リスクに低迷していた相場の雰囲気が一変し、投機筋は買い戻しを迫られていると17日に日本経済新聞が報じた。

 2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻により、穀物価格などが上昇し、これをきっかけに世界的な物価上昇が引き起こされた。

 小麦価格の推移をみると今年3月半ばあたりまで低下基調となっていた。その後次第に底堅い動きとなり、4月18日あたりから再び上昇してきた。

 トウモロコシは昨年12月以来、大豆も今年1月以来の高値圏に上昇してきたそうである。

 ここにきての穀物相場の水準は2022年のウクライナ侵略開始直後の高値に比べればまだ低いものの、被害の状況次第では再び穀物価格が高騰し、物価に影響を与える可能性もあるため、小麦価格の動向なども念の為注意しておく必要もありそうである。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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