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ヤクルトOBのブキャナンとスアレス、元広島・ピレラがサムスンで同僚に 元NPBの外国人3人は韓国初

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
左からブキャナン、ピレラ、スアレス(写真:サムスンライオンズ)

韓国KBOリーグのサムスンライオンズは新外国人選手として、昨季までヤクルトでプレーしたアルバート・スアレス投手を獲得。サムスンはデービッド・ブキャナン投手(元ヤクルト)、ホセ・ピレラ外野手(元広島)が残留したため、3人の外国人選手がいずれもNPB経験者となった。この3人はいずれも1989年生まれだ。

KBOリーグの外国人枠は1チーム3人まで。3人全員がNPBを経た選手というのは今回が初めてだ。KBOリーグでは外国人枠すべてを投手または野手に使うことは出来ず、これまでほとんどのチームが投手2人、野手1人という組み合わせになっている。

2020年にサムスン入りしたブキャナンは、先発投手として2年続けて15勝以上をマーク。昨季30試合に登板し、リーグトップタイの16勝(5敗)を記録した。防御率は3.10(同6位)で、KTウィズとの同率1位で公式戦を終えたチームのエース的存在だ。

また昨季が韓国1年目のピレラは全144試合中140試合に出場。主に2、3番に座り、打率2割8分6厘、チームトップの29本塁打、トップタイの97打点を残した。

ブキャナン、ピレラともに年俸が昨年に比べて約20%アップし、契約金と出来高を合わせた総額はブキャナンが170万ドル(約1億9,550万円)、ピレラが120万ドル(約1億3,800万円)で契約している。

新たに加わるスアレスはヤクルトに3年在籍し昨季は24試合に登板、5勝3敗1セーブ3ホールド、防御率3.62だった。スアレスの2021年のヤクルトでの年俸は5,230万円(推定)。今年サムスンでは年俸70万ドル(約8,050万円)、契約金10万ドル(約1,150万円)、出来高が最大で20万ドル(約2,300万円)という契約内容だ。

KBOリーグの外国人選手制度は1998年にスタート。長らく2人体制で2014年から3人までとなった。

2人制の時にはどちらもNPB経験者というケースはあり、2008年にはLGツインズがジェイミー・ブラウン投手、クリス・オクスプリング投手(どちらも元阪神)を擁しシーズンをスタート。ブラウンが途中退団し、代わってロベルト・ぺタジーニ外野手(元ヤクルトなど)が加わったケースなどがあるが、NPBを経た3人の外国人選手が同時に在籍するのは今回が初めてとなる。

サムスンは2月3日から春季キャンプをスタートする。感染症の拡大で海外キャンプが行えず他球団同様に韓国国内での実施だ。ブキャナンは既に韓国入りし、自主隔離を経てチームに合流予定。ピレラ、スアレスは2月に入って入国する見込みだ。

◇NPB選手経験者のある日本人で、外国人選手としてKBOリーグでプレーしたのは入来智(元トゥサン)、塩谷和彦(元SK)、高津臣吾(元ヒーローズ)、門倉健(元SK、サムスン)、岡本真也(元LG)の5人がいる。

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韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FM那覇)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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