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そして、誰もいなくなった… 民主党、管元首相を処分へ

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

菅元首相に離党勧告へ=拒否なら除名も―民主

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130724-00000043-jij-pol

そして、誰もいなくなった…

小沢氏が離れ、鳩山氏が離れ、そして管氏が…。

東京選挙区、公示日2日前の大河原雅子候補の公認取り消し、そのものがありえなかった。

民主党は、決められない党の実態を露呈してしまった。公認を取り消された大河原雅子候補を説得できずに、無所属で出馬された。それを民主党の管元首相が応援に駆けつけたという状況であった。党内の分裂の構造は誰にでも明確にわかる。

選挙期間中、民主党幹部は黙認していたが、投票日の週が明けて、処分が検討されている。

政治の世界にもしもはないが…、

もしも、大河原さんを細野豪志幹事長が説得し、鈴木寛候補に一本化していたら…

鈴木寛 候補 552,714票

大河原雅子候補 236,953票

合計すると、  789,667票 で

自民党の武見敬三候補の 612,388票と177,279票差で勝利していたのかもしれない。

東京選挙区で2人の候補を擁立しないという戦術は正解であったが、公認しない候補を説得できなかった事と、元首相である菅直人氏の動きを管理できなかった事は敗因のひとつとなった。

菅直人氏は、自身のブログで、

比例は自民党に投票しない「落選運動」の呼び掛け」というブログエントリを残し、現首相である安倍首相を元首相が提訴という異例のアクションを選挙期間中に起こしている。

この行動は、民主党の逆風の中、さらに民主党の政局の責任を取った人の行動とすると、集票行動というよりも、単に自民党への選挙妨害と民主党への謀反としかとりようがない。

当然、これらの行動には意味があり、民主党からの辞任要請は織り込み済みであったであろう。

そして、これから、菅直人氏は今後、どう動くのか?

震災以降、本人の評価と社会の評価には開きがありすぎる。どこの党も彼を招きにくい。原発反対を推す党でさえ、迎えにくいのではないだろうか?

小沢一郎氏の生活の党は、議員を1人も当選させることができなかった。鳩山由紀夫元首相は、政界を離れた後もニュースで「中国側から(尖閣諸島を)日本が盗んだと思われても仕方がない」発言を取り上げられ、その報道を払拭することができず、そのまま民主党を離党した。

菅直人元首相が離れれば、トロイカ体制とかつて呼ばれた最大野党の立役者は、誰もいなくなってしまうことになる。

組織票を盾に集っていた党員が、組織票が当てにならなくなった今、その党をどのように舵取りしていくのだろうか? 政策も違うメンバーが、集票のために乗船していた民主党。集票ができない船には魅力はこれっぽっちもなくなっている。

これはきっと、新たな野党再編時代のはじまりを予感させる出来事なのだろう。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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