「囲碁の長い日」本因坊戦リーグ最終一斉対局 井山裕太への挑戦者はだれか
本因坊文裕(井山裕太)への挑戦者を決める第75期本因坊リーグ最終一斉対局が、4月3日のきょう、打たれている。挑戦の可能性があるのが、芝野虎丸名人、許家元八段、一力遼八段の「令和三羽烏」の3人。3者は別々の相手と対局しており、3人の勝敗によってはプレーオフに持ち込まれ、挑戦者決定は来週になる可能性がある。
対戦カードは以下の通り。
芝野虎丸名人(5勝1敗)-横塚力七段(1勝5敗)
許家元八段(5勝1敗)-志田達哉八段(3勝3敗)
一力遼八段(4勝2敗)-河野臨九段(3勝3敗)
羽根直樹碁聖(3勝3敗)-山下敬吾九段(0勝6敗)
芝野名人、許八段のどちらかが勝てば、挑戦者決定。ふたりとも勝つと、プレーオフを打って決まる。
芝野名人、許八段の両者が負け、一力八段も負けると、やはり芝野名人、許八段のプレーオフ。
芝野名人、許八段の両者が負け、一力八段が勝つと3人のプレーオフになる。許八段と一力八段が同じ序列5位なので、まず打って、勝ったほうが芝野名人と決戦となる。
前ラウンドで、許八段と一力八段の4勝1敗どうしの対決があった。
それまで許八段は一力八段を1勝8敗と苦手としていたが、ここ一番で勝利し、挑戦者へ一歩近づいた。
一力八段は今回負けると4勝3敗となり、リーグ落ちの可能性も出てくる。
これまではリーグ序列が上の棋士の所属する場所で打たれていたが、今回はすべて東京市ヶ谷の日本棋院本院で打たれている。
山下九段(東京本院所属)より羽根碁聖(中部総本部所属)のほうがリーグ内序列は上。
志田八段(中部総本部所属)と一力八段(東京本院所属)はリーグ内順位同列で志田八段のほうの入段が早く棋士序列が上。
このケースの2局も市ヶ谷で打っている。
対局室はすべて個室。対局者のほかに常時いるのは記録係のみ。
芝野対横塚戦は一番大きな「幽玄の間」で打たれている。
15畳の広さにくわえ、砂利や大きな石を配した中庭のようなスペースもあり、過密な状況とはいえない。
ただ、碁盤を挟んで対峙しているので、手を伸ばせば届く状況ではある。両者ほとんど無言でいる。
マスクは半数の棋士が着用して対局に臨んでいる。
3日の夜には結果が出る予定だ。