【英会話】葬送のフリーレンを観たんだよ って言ったら変な顔。相手の知らない固有名詞をどう説明する?
20年ほどNative English Speakerたちのマネージメントをしていますが、他の生業として、生意気にも英会話や英語のレッスンを生徒様に提供させていただいています。いわゆる講師というやつでして、生徒様からは「先生」なんて呼ばれたりもする。なんだかむず痒(がゆ)い。
昔から一瞬たりとも先生になろうだなんて思ったことのない人間なんです。こうしろ、ああしろ、って人に言うのが(もちろん、言われるのも)嫌なタイプなんで、先生なんて一番向いてない。人様にものを教えてるなんて、たまに不思議な気持になる。
そんな私なんですが、生徒様はこのエッセイも読んでくれていたりします。このあいだのことですが、前回(2/24)の関係代名詞のお話を読んだ生徒様から質問をいただきました。
friend やthing, person, companyを関係代名詞を使って飾るのはわかったけど、固有名詞に関係代名詞を使っちゃいけいないの?
ですって。これはいい質問だなと思ったんでネタにさせていただきます。今回は、読むと固有名詞の飾り方がわかるお得なエッセイです。
葬送のフリーレンを観たんだよ
結論から言うとほとんどの場合、固有名詞に関係代名詞は使えません。それはなぜかと言うと関係代名詞というのは、話に出した名詞が他のものと違うと伝えるものだからです。名詞を飾るというのとは微妙に違うんです。なので、固有名詞に使ってしまうとその固有名詞がたくさんある中のどれかに違いをつけるということになります。
たとえば、福岡というところは全国にたくさんありますが、その中の九州で一番大きな都市である福岡という場合には関係代名詞はかろうじて使えます。
I was born in Fukuoka which is the biggest city in Kyusyu.
という感じです。たくさんある福岡のなかの一つの福岡にスポットライトを当てている(ちょっと不自然ですが)。
でも、多くの場合、固有名詞というのはほかにはない、世の中に一つのことが多いですから、関係代名詞は使えないんです。使うとその固有名詞で呼ばれる他のものがあることになっちゃう。
実は、前回のエッセイで話題になった「葬送のフリーレン」について友人のRichに話したときにちょうどこういう場面に遭遇しました。Richに
I saw “Funereal Frieren.” (「葬送のフリーレン」を観たんだよ)
といった途端に変な顔。
そりゃそうです、Frieren というのはドイツ語で氷結って意味だし、funereal はめったに使わない単語。これは説明しなければならないけど、ほかと差をつける関係代名詞は使えない。使うと、世の中に「葬送のフリーレン」がたくさんあることになっちゃう。
みなさんなら、どうされるでしょうか?
これは、実は簡単で続けて説明してしまえばいいんです。
I saw “Funereal Frieren” it’s the name of an animation. (「葬送のフリーレン」を観たんだよ、それはアニメの名前なんだけど)
という感じ。なんだかコロンブスの卵みたいで恐縮ですが、知っておくと慌(あわ)てて関係代名詞を使ったりしなくなると思います。参考にしてください。
と、こんな感じで、Native English Speakerたちとの英語やカルチャーギャップのお話をご披露したいと思っております。お気に召しましたら是非ともごひいき(フォロー)くださいますようお願い申し上げます。
イラスト 大橋啓子