あさぎりフードパーク内にある『お茶工房 富士園』さん。

富士山の雪解け水と澄んだ空気、水はけの良い火山灰土など、富士山南麓標高300ｍの自然環境の中で、有機肥料やたい肥など環境に配慮したお茶栽培をされているだけでなく、自社製茶工場で生産されたこだわりの日本茶を販売されています。

お店に入ると、まず目が行くのが壁に飾られた浮世絵です。和風の雰囲気を出しているのかな…と単純に思っていましたが、この浮世絵１枚１枚がお茶にまつわるものなんです。「綺麗な女性とお茶を飲んでゆっくりして行ってください！」と誘っているかのように看板娘とお茶が描かれています。浮世絵の下に記された年号は安政４年！今から１６５年前には庶民の間でもお茶の文化が広がっていたのですね。

その下には地元の子どもたちからのお礼の手紙がありました。子どもたちにもお茶の文化を知って欲しいと社会科見学などを受け入れているそうです。

店内を見渡していると、店員さんがお茶を淹れてくれました。
茶釜から富士山の天然水を掬って急須に入れ、淹れてくれるお茶は鮮やかな濃い緑色。湯気からはお茶特有の良い香りが漂います。

野点傘があるベンチに腰かけて、一口すすれば、まるでお茶会に来ているような錯覚になります。

富士園さんはオーガニック・エコフェスタ2020でも最優秀賞を受賞しています。

栽培の過程と同じように、商品も環境に配慮しているそうで、こちらのティーバッグはとうもろこしを原材料とした土にかえる素材を使用しているそうです。

店内には喫茶スペースもあります。お茶のテイクアウトにはオリジナル湯呑が用意されていて、おかわりの場合は200円引きになります。エコだけでなく、お財布にも優しいのが嬉しいです。

このオリジナル湯呑は瀬戸焼で、富士山がお茶を飲んでいるとってもかわいいデザインです。お土産にも喜ばれそう！

多種多様なお茶の中でも、私が一番気になったのが富士山献上茶です。富士山麓の手摘み茶を茶壷に詰め、「富士山本宮浅間大社奥宮」拝殿に収め、夏の開山中に熟成させ、閉山と共に山頂から下ろし、秋の献茶式にお披露目されるという限定希少品の茶葉、「天上茶」。

値段はお高めですが、一回分（5グラム/￥540）でも買えるので、おめでたい年明けのお茶には相応しいと思い、購入しました。

静岡茶にしては少し色が薄目です。苦み、雑味が全くなく、お茶の旨味だけを出した透き通った味です。天上茶と言う名にふさわしい、静岡人でも驚く極められた極上の味です。
特別な日に飲みたい、口にしただけで幸せと贅沢を味わえるお茶でした。