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NY原油21日:ドル安で反発も、需給緩和が戻り余地を限定

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油8月限 前日比0.21ドル高

始値 49.95ドル

高値 51.02ドル

安値 49.77ドル

終値 50.36ドル

為替相場がドル安方向に振れたことが材料視され、小反発した。

アジアタイムはほぼ横ばい推移になったが、欧州タイム入り後にドル安連動で地合を引き締めた。需給面には特に大きな材料は見当たらなかったが、ドル買いポジションに調整が膨らんだことを受けて、原油売りポジションの利益確定を進める動きも見られた。米原油在庫の減少観測も、一定の下値サポート要因になった模様。

もっとも、需給環境に何かポジティブな動きが見られる訳ではなく、反発力は限定されている。国際原油需給が緩和状態にあることは周知されており、継続的なドル安の支援がない限り、原油相場が本格的に買い進まれるような展開を想定しづらい。石油輸出国機構(OPEC)の大規模増産、OPEC非加盟国の産油量高止まり、イラン産原油の供給増加懸念、中国需要の鈍化リスクなど、需給環境はネガティブ材料で埋め尽くされている。

なお、石油製品相場が下げ渋っていることが一定の下値サポート要因になるが、ドライブシーズン終了までのガソリン供給の手当てが見えてくる中、製品相場主導の反発リスクも限定されよう。

本日はドル安が原油相場の反発を促したが、需給、為替要因の双方が下げ相場を支持する中、引き続き戻り売り対応が基本になるだろう。引き続き、イラク核合意を受けてイラン産原油の供給増に対する警戒感も強く、50ドル割れ定着を打診する展開が維持されよう。需給緩和状態はほぼ評価が固まっているだけに、後はドル高の進捗状況を眺めながらの相場展開になる。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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