【コーラレビュー】AIの作る未来味のコカ・コーラ!?「Coca‑Cola Y3000」飲んでみた
国際クラフトコーラ連盟(FICA)副理事長の空水りょーすけと申します。こちらでは国内外の話題のコーラを色々と紹介していきます。今回は「Coca‑Cola Y3000」を解説しつつ、レビューしていきたいと思います。
「Coca‑Cola Y3000」とは、2023年9月12日に米国で発売された「Coca-Cola Creations」の第7弾の新製品となります。Coca-Cola Creationsとは、コカ・コーラ社が若い世代をターゲットに定めた新ブランドで、昨年2月に第1弾の「宇宙味」が発表された際には大きな話題となりました。それ以降「夢味」や「経験値味」など、同シリーズから様々な抽象的フレーバーをリリースさせています。
Coca-Cola Creationsの発売地域は主に北米で、近隣国では中国や韓国などでもリリースされていますが、日本での発売は殆どありません。一応日本でもCoca-Cola Creationsブランドから過去に2種類登場しており、人気アーティストの「MARSHMELLO」や、人気アニメ「BLEACH 千年血戦篇」とコラボしたものが発売されました。
そして今回のCoca‑Cola Y3000は、なんと「西暦3000年味」となります。味の開発方法は、まず人間に「未来とはどんな味か?」という調査を行い、その調査結果をAIに取り込んで味の組み合わせを決定したそう。人間と人工知能の共同開発であることが公式HPで強調されています。
容器は20オンス(約591ml)のペットボトルと7.5オンス(約222ml)の缶があり、それぞれ有糖と無糖のものが存在します。今回はペットボトルのそれぞれ有糖・無糖のものを入手しました。
ちなみにラベルデザインもAIが生成したものをベースにしているそう。シアン・ピンク・マゼンタの背景に波紋のような模様が浮かび上がっています。そしてコカ・コーラのスペンサーロゴは、輪郭がハッキリとしていません。
肝心の味ですが、まずはレギュラータイプから。飲み始めから桃のような香りが口の中に広がり、やや遅れてグレープフルーツに近い柑橘感を覚えます。最後にはベリー系の甘さがかなり長く残り、全体的にかなりフルーティーなテイストで仕上げられています。
Coca-Cola Creationsは一応7弾全て飲んだことがありますが、どれも結構甘ったるい感じに仕上がっています。その中でいえばこちらは酸味が強く、比較的サッパリとしています。ただし、これはCoca-Cola Creations全体に言えることですが、これが「西暦3000年味」だと言われても全く理解できません笑
続いて、無糖タイプです。フレーバーはレギュラータイプと一緒のため、大きく味に差があるわけではありませんが、こちらは果糖ブドウ糖液糖の代わりにアセスルファムカリウムやアスパルテーム等の人工甘味料が使用されています。
先述の通り、Coca-Cola Creationsシリーズが全体的に甘ったるい味付けなので、人工甘味料が苦手でない方は、よりキレのあるZeroの方が美味しく飲めるかもしれません。私も飲料を趣味にする前は人工甘味料が大の苦手だったのですが、色々と数を飲んでるうちに慣れてしまいました。
コカ・コーラが1886年に誕生してから、今年で137年になります。当初は薬として薬局でグラスに注がれて提供されていたコカ・コーラは、今では嗜好品としてペットボトルや缶でいつでも気軽に飲めるようになりました。この140年弱で、味も容器もコーラに対する人々の考え方も、大変貌を遂げています。
西暦3000年といえば、今から977年後の未来です。その時代にコカ・コーラがどうなっているかなんて、私には全く想像がつきません。ペットボトルは使用され続けているのか、液色は茶色のままだろうか、そもそもコカ・コーラ社は存在しているのか・・・。Coca‑Cola Y3000は、そんなコーラの未来について色々と考える良いキッカケとなりました。
というか味の開発ではなく、そういう未来予測をAIにやらせて公開して欲しかったなと思いました。
【コーラレビューリンク】