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ウクライナ領土防衛隊、負傷した兵士を遠隔操作で無人で運送できる「救急地上ドローン」

佐藤仁学術研究員・著述家
救急地上ドローン(ウクライナ領土防衛隊提供)

2023年8月にウクライナ領土防衛隊は戦場の最前線で傷ついた兵士をリモートコントロールで運ぶための救急地上ドローンを公開していた。

この救急地上ドローンは150キログラムまで運ぶことが可能で、負傷した兵士を横にして2~3キロメートル先(約1時間程度の走行)まで運べる。リモートコントロールで遠隔地から操作して動く。そのため負傷した兵士を他の兵士が介護しながら、目的地まで連れていく必要はない。従来は負傷した兵士の介護と搬送に7人程度の兵士が必要だった。だが、救急地上ドローンであれば2~3人で負傷した兵士を救急地上ドローンに乗せて、リモートコントロールで遠隔操作をするだけで済むようになる。また負傷した兵士以外にも物資の輸送もできる。

ウクライナ軍では今回公開された救急地上ドローン以外にも地上を走る無人機や飛行する無人機で様々な物資などを輸送している。

上空を飛行している監視ドローンからは目立ってしまうので、負傷した兵士が救急地上ドローンで搬送されている間にロシア軍に検知されて攻撃されてしまう危険はある。また搬送している途中で対戦車地雷や対人地雷に触れてしまい爆破してしまう危険もある。

戦場の最前線では負傷した兵士の介護はかなりの負担になる。その場で応急処置はできるかもしれないが完璧な対応はできないことが多い。完璧な対応ができないために命取りになってしまうこともある。また部隊が移動するときには負傷した兵士を連れていくことによって機敏な行動ができないで敵軍に攻撃されてしまうことがある。

救急地上ドローン(ウクライナ領土防衛隊提供)
救急地上ドローン(ウクライナ領土防衛隊提供)

救急地上ドローン(ウクライナ領土防衛隊提供)
救急地上ドローン(ウクライナ領土防衛隊提供)

(ウクライナ領土防衛隊提供)
(ウクライナ領土防衛隊提供)

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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