エネルギー価格高騰の冬、活用したい「電気毛布」上手な使い方やかかるコストは?
世界的なエネルギー価格の高騰が報じられています。来たる本格的な冬を前に、光熱費の上昇を案じている方も少なくないのでは。
ところで、「電気毛布」というものを知らない人はあまりいないと思うのですが、実際に使っている、活用、愛用しているという方はどれくらいおられるものでしょう。
発明からなんと120年もの歴史を持つ、暖房器具であり寝具でもある「電気毛布」というもの。実はただ布団を温めるだけでなく、カビや害虫対策に、また暖房、乾燥器具としても有能かつ超・省エネにもなる道具であること、ご存知でしたか?
健康、ラク家事、節約にもつながる「電気毛布」を再見。改めてそのじょうずな使い方についてご説明したいと思います。
布団のカビ・ダニ予防に電気毛布を使う
寒くなってくると身体を動かすのが億劫になってきます。よくないと思いながら、布団も年がら年中敷きっぱなしの「万年床」に……。しかし、フローリング床などに、直に布団を敷いて寝ると、冬場はあたたかく湿った布団と冷たい床の間に身体由来の水分による結露が生じて黒カビが生えてしまうことがよくあります。
この予防法としては、普段から敷き布団の下かつ床の上に「布団用除湿マット」を敷いて湿気をマットの方に吸い取らせるという方法があり、これだけでも効果は大きいのですが、この除湿マットと敷き布団の間に「電気敷き毛布」を敷き込んで1日30分〜2時間程度運転させるという方法もあります。
また頻繁にパッドやシーツを洗濯しているわけではないベッドでも、マットレスとパッド、ないしは敷き布団の辺りが湿気でカビが生えてしまうことは、ままあります。
電気毛布の中でも「電気敷き毛布」とは通常、敷き布団とシーツの間、ないしはベッドパッドとシーツの間に敷くものです。けれども敷き布団やベッドパッドの下から稼働させることで、各々の水分を蒸発、カラッと乾燥させ、カビの発生を予防しながら敷き布団全体をほんのりと温め寝やすくさせる効果があるのです。
安全のため必ず在宅しているタイミングで、敷きこんだら1〜5時間ほどタイマーをかけ「強」運転させ、就寝前にはスイッチを切るようにしましょう。
布団の湿気を減らすことは布団内でのダニの繁殖を抑えることにもつながりますので、寝具由来のカビ・ダニアレルギーが心配な方にもおすすめです。また電気毛布の機種によっては専用の「ダニ退治モード」というものが備えられているものがあります。
パーソナル暖房器具として電気毛布を使う
暖房にはエアコン暖房や床暖房など部屋全体を温めるものと、コタツや火鉢など個々の身体を温めるものとがあります。「ヒートショック」の害などが報じられると部屋よりむしろ家全体を温めたくもなるのですが、諸々コストが気になります。一方コタツは場所塞ぎだったりで、良し悪し。
そこで活用したいのが電気毛布です。電気毛布には、先ほど挙げた「敷き毛布」のほか、「掛け毛布(掛け布団と同様に使用)」、「掛け敷き両用毛布」「膝掛け毛布」「膝掛け、掛け敷き両用毛布」などの種類があり、基本的に「敷き」を推奨していない製品を敷くことはご法度なので注意が必要です。
ただ、このなかで「掛け敷き両用(膝掛け利用可)毛布」と呼ばれる一連の製品は非常に汎用性が高く、就寝時(就寝前)利用のみならず昼間も個々の身体を温めることに活用できるのです。使わないときにはもちろん毛布なので畳めば小さくなり、非常にミニマム。
ダウンジャケットや羽毛布団の構造を参考に、下半身中心に電気毛布と既存の膝掛けや毛布類を用いて温かい空気の層をつくることで簡易コタツのような「パーソナル暖房」になるのです。ただしあまりに気持ちがいいからといって通電させたまま眠ってしまうと、低温火傷や脱水の可能性があるのでくれぐれも注意しましょう。
驚くべき電気毛布のランニングコスト
ところで筆者の電気毛布はサイズ140×80センチ、消費電力は50W。諸々若干の変動はあるにしろ、このランニングコストを試算すると、
1時間あたりの消費電力は、概ね1円
(0.05kW×使用時間 1×料金単価 20円/kWh)
ということになります。
ものすごく大ざっぱに、世の中の一般的な電気毛布の1時間あたりのランニングコストは「強」でも2円を切る、と捉えておくといいのではないかと思います。
多めに見積もって、1時間2円。それでたとえば仕事中の暖房と、就寝前の布団温めで、合わせて1日12時間使用しても、1日たったの24円、1か月で720円です。
仮に家族3人が同じだけ使用したとしても1か月で2000円強。1時間1円計算ならこの半額、1か月1000円です。
余談ですが、電気こたつの1時間あたりの電気代は約10円、エアコン暖房で15円というのが一般的にいわれる目安(比較的最新機種かつ20円/kWh)。電気毛布のランニングコストの低さが際立つのではないかと思います。
手頃な製品では2000円前後で手に入れることのできてしまう、こんな「電気毛布」。ピンと来たなら、ぜひ活用してみてください。