【諫早市】身近に潜む不慮の事故や不審者から子どもたちの命を守る Love&Safetyいさはや
突然ですが皆様。0歳から19歳までのこどもたちの死因第一位は、何だと思いますか?
年齢によって異なりますが、全体的には『不慮の事故』が第一位になります。
不慮の事故とは、家庭内だと窒息やお風呂場での溺死、外に出れば交通事故など。さまざまなものが含まれています。
命を落とす危険性は、ふとした瞬間、いきなりやってくることも事実です。
そんな不慮の事故から、こどもたちを少しでも守りたいという強い思いで、活動されてる方から取材依頼がありました。その思いを少しでも皆様に届けたく、筆者は話を聞きに行ってきました!
日本でも他に例のない地域一体型で子ども達を守るプロジェクト『Love&Safety』
今回の話の前にNPO法人Love&Safetyおおむらのご紹介をします。
NPO法人Love&Safetyおおむらは、大村市で小児科医をされている出口貴美子医師がはじめたプロジェクトです。
このプロジェクトの大きな目的は『不慮の事故』からこどもたちの命を守ること。
大村市と連携し、日本でも他に例のない地域一体型の社会システムの構築を目指しています。
今回は支部的な立ち位置にあるLove&Safetyいさはやの活動のお話です。
Love&Safetyいさはやの代表は川口優子さん。看護師と保健師の経験もあり、現在はお二人の子どもさんを育てているお母さんです。
看護師時代に形成外科外来で勤務されていた時、やけどや事故でケガして受診に来るこどもたちの処置の介助をしてきました。中には話を聞いて「これは防げた事故かも」と思われたことも多かったと川口さん。
医療機関を退職後、保育園で勤務時代に、Love&Safetyおおむらの出口医師の研修を受けます。
その時に「この活動を地元の諫早でも広げたい」と思い、出口医師へ直談判されました。
看護師時代に、不慮の事故に遭われた患者さんやご家族の声を直に聴いたからこそ、この活動をしたいと強く思ったと川口さんは仰っていました。
そこから3年かけて形にしていき、2022年8月にLove&Safetyいさはやが誕生しました。
イベントは回を重ねるごとに参加人数が増えてきている。
メンバーは代表の川口さんの他に3名おられます。
みなさん、看護師や保育士さんの経験者ばかり。おの小児科分院の小野靖彦先生が川口さんの思いに共感され、Love&Safetyいさはやの顧問になってくださったそう。なんと心強いメンバー。
Love&Safetyいさはやは、地域密着型を意識して、親子で楽しめるイベントなどを開催。
諫早市や保育園からの講座依頼の他に、家庭内事故の安全教室や水辺の安全に関するイベントも開催しています。
最近は共働きの家庭も多く、子どもさんを祖父母へ預ける世帯も増えてきました。それに比例するかのように、家庭向けのイベントでは、おじいちゃんおばあちゃんの参加も増えてきているとのこと。
「おじいちゃんおばあちゃんも参加されてるんですか!?」と筆者、お話をきいて驚きました。それくらい、誰もが意識が強くなっている証拠ですね。
話など少しでも多く聞くために、10名ほどの少人数でイベントを開催していますが、やはり需要はあるのか、回を重ねるごとに参加人数は増えてきているようです。
一度体験してみたい、119番通報疑似体験
Love&Safetyいさはやが実際に行った、昨年2024年2月のイベントでは、救急車と救急隊の人達に来てもらい、心肺蘇生法やケガしたときの応急措置など、基本的な応急処置体験から、なんと119番へ電話する疑似体験も保護者向けに行いました。
実際に119番へ通報すると、消防局の通信指令員が電話にでます。そこでいくつか質問をされるそうで、その疑似体験を行ったといいます。これは一度でも体験しておくと、いざという時に落ち着いて対応できそう。
そして、そのあとは救急車や隊員さんたちと写真撮影をしたり。
聞いてるだけで楽しそうなイベント!
できるだけ子どもたちだけでなく大人も、楽しめるイベントにするように心がけていると川口さんは仰いました。
身近に潜んでいる犯罪と防犯対策方法
ちょうど、取材数日後にイベントを開催するとお聞きしたので、筆者お邪魔しに行ってきました。
この日は、『防犯教室・不審者にであったら』がテーマ。
その中で筆者が一番衝撃を受けたのは、LEDライトの使い方です。
最近は子どもが書道コンクールや絵画コンクールの参加賞で、毎回ライトをもらってきます。停電した時や災害用のために配ってるのかと思ってました。「こんなにたくさんいらないよ!」と思っていたのですが、今回の防犯教室で分かったのですが、このLEDライトは常に持ち歩く防犯グッズにもなること。
不審者にあった時、大声を出せと言われても、実際は恐怖のあまり声を出すことが難しいようです。
防犯ブザーも誤作動や電池切れで、音が出ない場合もあります。
そんな時にライトを不審者の顔に向けて光らせると、視界がさえぎられるので一瞬の隙を作り、逃げることができます。お話を聞いて目からウロコ!
「そんな使い方もあったのか!!」と叫びたくなるほどでした。
取材にお伺いしなかったら、棚の上でホコリ被って放置してました。これはなかなか、聞けないことです。
他にも不審者に手をつかまれた時に逃げる方法など、学ぶことがたくさんありました。
「安全は自ら作るんです。自然界に安全は存在しません。人もそう。心の距離があるから、危険があるんです。」
防犯教室の後は、親子制作と池田尚コーチとの楽しいイベントがありました。
取材した日はクリスマスが近かったこともあり、クリスマスツリーや帽子の制作。それから池田コーチとの楽しい歌の時間です。
イベント終了後に、少し池田コーチとお話させていただきました。
その時に「安全は自ら作るんです。自然界に安全は存在しません。人もそう。心の距離があるから危険があるんです。」と言われたことも印象に残りました。
まさにLove&Safetyいさはやさんの活動は、そのことをしっかり体験できるイベントだなと痛感しました。
今後は、災害対策もやっていきたいとも川口さんは話されていました。
今の時代は、個人はもちろん、自治体や地域も一緒になって子どもたちを守る時代になってきているように筆者は感じます。
Love&Safetyいさはやさんはまさにそれを先駆けて、子どもたちのために活動されています。ぜひ、機会があったらイベントに子どもたちと一緒に参加されてみてください。