キャリア選択に活きる!MBTI診断と自己理解
こんにちは。アクシス株式会社 代表・転職エージェントの末永雄大です。
中途の人材採用支援をしつつ、月60万人以上の読者を持つ「すべらない転職」という転職メディアを運営している中で、Yahoo!ニュースでは2013年から「働き方3.0」というテーマでキャリアや雇用分野について発信させてもらっています。
転職活動、キャリア選択において「自分が何をしたいのか分からない」といった悩みを聞くことがよくあります。実際、自分自身のことを知るというのは難しいと思います。
最近、若者の間でMBTI診断(正確には16Personalities)と呼ばれる性格診断のひとつが流行していることをご存じでしょうか。
たかが性格診断と思われるかもしれませんが、これがあなたの自己理解のきっかけになるかもしれません。
MBTI診断で何が分かる?
「ありのままの自分で正直に回答してください。」というメッセージからスタートするMBTI診断。数年前から韓国で流行し、今では日本の若者の間でも「やったことない人の方が少ないのではないか?」と言えるほどのブームを巻き起こしています。
MBTI診断とは、「定期的に新しい友達をつくる」や「自分は感傷的なほうだ」といった「はい/いいえ」で答えられる簡単な93の質問を通して、人の性格を16種類に分ける性格診断です。結果には、自分の考え方や、得意なこと、苦手なことなどが詳しく記されています。
自分の当たり前が当たり前でないことに気づいたり、人からどのように見られているのかも分かったりするので、中には自分でもハッとさせられるようなこともあるかと思います。
また、これに派生して、「優しいMBTI」や「頭のいいMBTI」といったランキングや、「恋愛におけるMBTI別の特徴」なんてものまで、様々な分野から関連付けた記事を多く見ることができます。勿論、こういったものは個人差があるものですし、ランキングも必ずしも全員に当てはまる訳ではないので、占いのような感覚で流行しているのかもしれません。
誰しもが自分のことをもっと知りたいと思う気持ちを持っている反面、一人で考えるには限界もあり、難しく感じていまいがちなので、こういった診断を活用するのもアリではないでしょうか。
自己理解の何がいい?
MBTI診断では自分のことを客観的な視点から知ることができます。では、自分を知ることにどのようなメリットがあるのでしょうか。
メリットの一つとして価値観が明確になることが挙げられます。ざっくり価値観と言ってしまうと難しく思えますが、要は、自分が何に重きを置いているのかということです。より効率よくタスクを消化していくことなのか、新しいことに挑戦していくことなのか、コミュニケーションをたくさん取ることなのか。それに良い悪いはなく、どれも大切にされるべきものです。
これが分かることで、同時に自分のやりたいことや取るべき行動も明確になってきます。今まで「なんとなくこうしたい」と思っていたことに明瞭な動機が付けられるようになるということです。それまで無意識に行っていたとしても、意識的に自分の性格に適したこと自分が好きで楽しいと感じることを行うことで、モチベーションの向上や達成感へと繋がります。
例えば、人に積極的に話しかけたり、世話を焼いたりするのが好きだという人はコミュニケーションを重視した行動を好んでいるといえます。何か個人で行うタスクよりも、協力したり、話し合ったりといった、人と関わるようなタスクが適していると考えられます。対人となる業務を選択したり、誰かと相談し合ったことで最適な結果や方法にたどり着いたりなど、「自分はこういった部分で貢献している」という気持ちがより強く感じられると、やりがいにも繋がっていきます。
自分を知ることは、自分の強みも弱みも知ることです。それは自分の成長を大きく促します。強みを活かした選択や行動をとることで得意を伸ばすのは勿論、苦手なことの対策であったり改善方法を模索したり、逆にそれを活かして何が出来るのかなどを考えていくこともスキルアップには不可欠です。
例えば、自分は凝り性で些細なことにもこだわってしまうという弱みを分かっていたら、自分だけで突き詰めていくのではなく、他人の考えを聞いて自分の中でいくつかの妥協できるポイントや段階をつくっていくことで臨機応変なやり方をとることができます。そうすることで、自分がどうしても譲れないポイントであったり、逆に自分的には気になる点でも人から見たらそこまで気にならないのだなというポイントも見えてきて、単純な作業効率が上がるだけでなく、自分なりのタスクへの取り組み方のようなものを確立させることも可能になってくるでしょう。
キャリア選択への活用
自己理解は転職活動においても非常に重要です。
先述したように、就職活動をする中で「何をしたいのか分からない」「何が向いているか分からない」というのはよくある悩みです。それがぼんやりしたまま転職活動をしてしまうと、成果が出にくいだけでなく、転職後のミスマッチにも繋がるおそれがあります。
しかし、そうした悩みを持つ人の中には何がしたいか、何が向いているかは分からなくても、何がしたくないかはハッキリしていることもよくあります。
それも自己理解の一つです。
嫌だと思うことを考えているうちに、やりたいことも見えてくるはずです。それを参考にしてみるのも一つのアプローチ方法だと思います。
例えば、子供と関わるのが苦手な人が保育士を目指すということはあまり考えられないように、苦手や嫌いが避けられない仕事を選択肢から外していくことで見えてくるビジョンもあります。もちろん、仕事は人がめんどくさくて嫌いだと思ったことをするものでもあり、自分ばかりの都合のいいように進むものではないですが、ある程度入社前に理解しておくことで入社後の業務と自分の理想の働き方とのギャップに苦しむことも減るのではないでしょうか。
転職活動以外の場面でも自己理解が出来ているということには多くのメリットがあります。自分の思考・行動のパターンが分かっているなら、それに合ったタスクの選択や進め方・スケジュールの管理ができます。他者との関わり方の特徴が分かっているなら、グループワークでの役割や立ち回りを考えることもできます。
自分が分かるということは自分を主張できるということです。近年、セルフブランディングが求められているように、自分にはどんな価値があり、どういった点で他者に貢献することができるのかを知っておくことで、他者との差別化が可能になります。逆に理想の自分やキャリアと現在の自分を比べてこれから付けるべきスキルを自覚し、自身の望むキャリアから逆算した選択をとることもできるようになります。
弊社提供のキャリアコーチングサービス「マジキャリ」の中でも自己分析のお手伝いを行っているように多く就活サイトでも自己分析・他己分析のアンケート等が提供されています。自分で考えて分かること、人から見て分かること、プロから見て分かること、いろいろな視点から自分を知っていくことで今まで見えてこなかった・気付いていなかった自分の新たな一面に出会えるでしょう。
自分を知ることが、これからのあなたをレベルアップするトリガーかもしれません。