祝!甲子園球場100歳の誕生日 前川だ!木浪だ!佐藤だ!打線爆発の阪神タイガースが快勝で花を添えた
■KOSHIEN CLASSIC SERIES
「♪ハッピーバースディ、甲子園~」
4万7千人を超えるファンの大合唱で、100歳の誕生日を祝った。
100年前、1924年8月1日、阪神甲子園球場は開場した。ドーム球場や人工芝の球場が増えつつある現代において、屋外で土のグラウンドに天然芝の甲子園球場は、「野球の聖地」として球児たちの憧れの場所であり続けている。また、数々のプロ野球の名場面も演出してきた。
甲子園球場の100周年を祝うため、この3連戦は「KOSHIEN CLASSIC SERIES」と銘打たれた。1戦目は「夢の再現」、2戦目は「夢は叶う」、そして3戦目の誕生日当日は「夢の協演」と、日程別にテーマが設けられ、試合前から聖地は沸き立っていた。
誕生日当日、8月1日の記念式典では俳優の渡辺謙氏がナビゲーターを務め、豪華なゲストをグラウンドに招き入れた。吉田義男氏、堀内恒夫氏、荒木大輔氏、上原浩治氏、藤川球児氏、ランディ・バース氏ら野球界のレジェンドたちのほか、佐渡裕氏や長嶋美奈氏、坂本花織氏ら、ゆかりのあるスペシャルゲストたちが、球場全体を舞台にした壮大なスケールの式典を彩った。
アーティスト・AI、能楽師・大倉正之助、ギタリスト・MIYAVI、太鼓演奏家・山部太嗣らも、それぞれのパフォーマンスで魅了した。
始球式では吉田氏と堀内氏が並んで投球したが、マウンドに上がる前から吉田氏はタイガースベンチに話しかけるなど、お茶目な様子を見せていた。そして、91歳には見えない大きく振りかぶっての投球は、拍手喝采を浴びた。
五回裏にはなんとバックスクリーンビューでライブが行われ、AIが熱唱を披露した。そしてAIの歌声にリードされながら、満員のスタンドも一緒に「ハッピーバースデイ、甲子園」と歌って100歳を祝福した。(ちなみに1戦目はTUBEが、2戦目はベリーグッドマンがスペシャルライブを行っている。)
■ヒーローはビーズリー、前川、木浪、佐藤輝
対戦カードは「伝統の一戦」読売ジャイアンツ戦だ。100周年を祝福すべく、虎戦士たちも奮闘した。8月1日は、前回の甲子園での対戦でノーヒットノーランを喫した戸郷翔征投手から初回に先制すると、じわじわと加点し、9-2で圧勝。
いつもなら最大3人のヒーローインタビューに、異例の4選手が選出された。
前川右京選手は先制タイムリーを含む3本のタイムリーで4打点。
「大声援に背中を押されながら打てた。(甲子園は)成長させてくれる場所です」。
木浪聖也選手は2安打3打点で貴重な追加点を挙げた。
「右京と一緒に活躍できたのがすごく嬉しい。(甲子園の好きなところは)ファンのみんなです」。
そして佐藤輝明選手の3安打目の当たりは、ダメ押しのホームランとなった。
「僕にとっては地元ですし、親しみのある球場で、そんな記念の日にホームランが打てて最高です。なによりファンの声援が日本一」。
投げてはジェレミー・ビーズリー投手が6回を2失点と好投して5勝目を挙げた。ビーズリー投手にとっては、一粒種の息子の誕生日でもあるという特別な日だった。
「今までないくらいの素晴らしい球場。今日の勝ちは息子に捧げたい」。
このカード、3戦連続2ケタ安打と打線が当たりに当たり、3連勝で締めた(オールスター前から7連勝)。
■阪神甲子園球場のあちらこちら
球場内のそこかしこに「100周年」のディスプレイが施されており、お祝いムード一色だった。写真で紹介しよう。
■ファンの声
スタンドのファンにとっても、甲子園球場は特別な場所だ。甲子園球場への思いを聞いた。
■野球の聖地・阪神甲子園球場
2010年のリニューアルによって、アルプススタンドは3席分を2席にし、ゆったり座れるようになっていたが、この3連戦は従来の形に戻して座席数が約5,000席増やされた。
8月1日はリニューアル後最多となる47,181人が入場し、歴史の証人となった。
来場者には「観戦証明書」と「甲子園100周年記念キャップ」がプレゼントされ、この3連戦では「阪神甲子園球場100周年記念ロゴ」を刻印した特別仕様のボールで試合が行われた。
ここから始まる次の100年。そこで、どんなスター選手が生まれ、どのような名場面を見せてくれるのか。
100年後も200年後も、阪神甲子園球場は「野球の聖地」として、永遠に愛され続けるだろう。
(撮影はすべて筆者)