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「全米オープン敗北は相棒キャディのせいだ」の批判にR・マキロイが激しく反論 #ゴルフ

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

6月の全米オープン最終日に、一時は単独首位に立ちながら、終盤続けざまに短いパットを外して次々にボギーを喫し、勝利を逃したローリー・マキロイが、あの敗北以来、初めて公けの場に姿を現わし、相棒キャディへの批判に激しく反論した。

全米オープンで悔しい敗北を喫したマキロイは、翌週のトラベラーズ選手権にエントリー済みだったにもかかわらず、「リフレッシュする時間が必要」といった内容の声明を出し、欠場を表明。

3週間のオフを取った上で、今週のジェネシス・スコティッシュオープンにディフェンディング・チャンピオンとして挑もうとしている。

だが、マキロイ不在の間、米ゴルフ界では「マキロイが全米オープンで勝てなかった原因は相棒キャディのハリー・ダイアモンドにある」といった批判の声が上がっていた。

米ゴルフウィークによると、その「声」の主の代表格は、かつてタイガー・ウッズのスイングコーチを6年間、務めていたハンク・ヘイニー、そして元PGAツアー選手で現在はゴルフ・コメンテーターを務めているスマイリー・カウフマンだという。

ヘイニーいわく、「全米オープンでマキロイが行なったいくつかの判断や選択は、かつてのタイガーの相棒キャディだったスティーブ・ウイリアムスだったら、決してタイガーに行わせなかったものだった」。

カウフマンも「たとえば最終日の15番のマキロイのクラブ選択に対して、ダイアモンドは、ちゃんとモノを言うべきだった。そもそも、ダイアモンドがマキロイに助言や反論をするところを僕は一度も見たことがない。マキロイは疑問や質問があれば、ダイアモンドに尋ねているけど、結局、マキロイが自分で感じた通りにやるだけだからね」。

マキロイとダイアモンドは幼馴染の親友で、2人がタッグを組んだのは2017年からだが、メジャー4勝のマキロイが最後にメジャー優勝を挙げたのは2014年の全米プロで、「ダイアモンドがバッグを担ぐようになってからマキロイはメジャーに勝てなくなった」というのが、ヘイニーやカウフマンらの主張だった。

しかし、ジェネシス・スコティッシュオープン開幕前に会見に臨んだマキロイは「実際の状況を見てもいないし、経験もしていない彼らが、そんな批判をするのは明らかにアンフェアだ」と怒りの反論をぶちまけた。

「ハリーは他のキャディのように大きな声を上げない人柄だけど、それは彼が何も言わず、何もしないということではない。そもそも批判をしている人々は、僕が勝ったときは、キャディがグッドジョブだったとは決して言わないのに、僕が負けたときは、キャディのせいで負けたという」

そこまで言って、まだ言い足りないと感じた様子のマキロイは、さらに怒りの言葉を続けた。

「ある人から、こう言われたことがある。こんな人々からのアドバイスは絶対に聞かないと思うのなら、そんな人々からの批判も絶対に聞き入れてはいけない、ってね。もちろん僕は、ハンク・ヘイニーからのアドバイスをもらうつもりもないし、スマイリー・カウフマンのことは好きだけど、僕は自分が何をすべきかはわかっているし、ハリーもちゃんとわかっているよ」

親友であり、相棒であるダイアモンドのために、マキロイがここまで声を大にして反論したことには少々驚かされたが、「負けたのは相棒キャディのせいだ」という説は、あまりにも乱暴すぎると私は思う。

しかし、全米オープンで敗北が決まったとき、マキロイが無言でコースを去らずに、その場で敗北の弁を述べておけば、後々になって、こんな奇妙な敗因説が出回ることもなかったのかもしれないとも思う。

いずれにしても、勝てば官軍である。今週はタイトル・ディフェンド、そして来週こそは全英オープンを制覇して「ダイアモンドとともに挙げた初のメジャー優勝」を是非とも披露してほしい。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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