今年も早すぎる梅雨入り発表はあるのか?東京はまさに梅雨時を思わせる雨予報
東京はまさに梅雨時の様相
上図はウェザーマップ発表の最新の16日間予報です。
今週は梅雨前線が本州付近に北上することが多くなり、関東以西でも雨が降りやすく、まさに梅雨の走りという状況になりそうですが、注目は来週の予報です。
福岡や鹿児島など、九州でも晴れ間の広がる日が多くなり、梅雨の走りは一旦解消しそうな雰囲気もあるのですが、そんな中、東京と那覇にはズラリと傘マークが並んでいます。
那覇は5月4日に梅雨入りの発表があったため、本格的な梅雨が続くということになりそうですが、その那覇と並ぶように東京も傘マークばかりの予報となっています。
東京が雨ばかりの予報となるのは後述しますが、もしこの予報通りに連日雲に覆われ、断続的に雨が降れば、梅雨の走りという状況を通り越して、本当の梅雨がかなり早くやってきたというとらえ方も出来るため、しばらく来週にかけての予報と気象庁の判断に注目ということになるでしょう。
日本の南東で太平洋高気圧が強まるパターンに
上図は来週18日(水)の気圧配置や降水量の予想です。
太平洋高気圧が日本の南東海上で強まり、その北側に位置する梅雨前線が突っ立つように関東付近に停滞しやすくなるため、西側の九州よりも東側の関東の方で雨が降りやすくなると計算されています。
これは特に珍しいパターンではなく、時々出現するパターンで、もし梅雨入り時に現われた場合は、九州よりも先に関東が梅雨入りとなるパターンでもあります。
またもし梅雨明け時にこのようなパターンが現われ、しかも太平洋高気圧がもっと強まれば、九州よりも先に関東で梅雨明けとなるパターンでもあります。
関東甲信の梅雨入りの平年日は6月7日で、まだ1か月近くも先のため、気象庁は梅雨入りという判断に至ることはまずないかと思われますが、絶対にないとも言い切れないのが昨年の例があるからです。
昨年は記録的に早い梅雨入りの発表も
まず梅雨入り(梅雨明け)は気象庁から発表されるものですが、実はその時に発表されるものは速報値であり、のちに夏の天候などを考慮して、9月のはじめに確定値として発表し直されています。この速報値と確定値で大きく異なることも珍しくありません。
そして昨年はあまりにも早すぎる梅雨入りとして話題となりました。
上図は沖縄から東日本にかけての昨年の梅雨入りの状況をまとめたもので、青文字はその時に発表された速報値、黒文字はのちに見直された確定値となります。
5月11日から16日にかけて、九州から東海は平年より大幅に早い梅雨入りが発表されており、当時は梅雨の走りと取るか梅雨入りと取るかで意見の分かれるところもありましたが、結局気象庁は梅雨入りしたとみられるということで思い切って梅雨入りの発表を行いました。
ところが同じように天気がぐずつき、東海の隣にある関東甲信の梅雨入りは見送られ、しかも約1か月も遅い発表となったため、確定値で気象庁がこのあたりをどう判断するのか注目されました。
結果は九州、四国、中国では記録的に早い5月11日から12日にかけての梅雨入りとなった一方、近畿や東海は1か月近くも遅い方に見直され、記録上は平年よりむしろ遅い梅雨入りということに変更されたのです。
ですからその時に発表される梅雨入りはあくまでも速報値であるということを前提にしないといけないのですが、それにしても昨年は記録的に早い梅雨入り発表を気象庁が思い切って行ったことに、少しびっくりした気象予報士も少なからずいたものでした。
このように平年から大きく逸脱した早い梅雨入り発表を昨年、気象庁が行ったことで、今年ももし1週間から2週間、まるで梅雨のような天候が続くと予想されれば、本格的な梅雨が前倒しできたとして、速報値での梅雨入り発表がないとも限らない状況だと思われます。