和田毅43歳が“24歳差バッテリー”で実戦復帰。「娘の1つ上だから息子だと思って投げました(笑)」
【9月12日 3軍練習試合 ソフトバンク2-2徳島インディゴソックス タマスタ筑後 ※6イニング制】
ファーム調整中の和田毅投手が3軍の練習試合に先発した。
今季1軍で2勝(2敗)を挙げている和田は、7月5日の楽天戦(みずほPayPayドーム)の登板後に出場選手登録を抹消。ファームでは7月27日の2軍のウエスタン・くふうハヤテ戦(タマスタ筑後)に先発して5回無失点に抑えていたが、その後はマウンドから姿を消していた。
約1か月半ぶりに実戦復帰。和田によれば腰や左膝のコンディション不良を抱えていたというが、10日ほど前に劇的な回復を見せたことで「ようやく投げられるところまで戻ってきた」と、この日の登板にこぎつけたという。
3軍で復帰「理想に近いボールだった」
復帰マウンドは2回27球、2安打3三振無四球で無失点の投球結果だった。
初回は2三振を含む三者凡退。三振はいずれもこの日最速だった144キロの直球で空振りを奪った。初回のマウンドで投げている最中からいきなり横殴りの雨が降り、2回表の頃にはマウンドの土もぐちゃぐちゃで「踏ん張りがきかずに手投げになった」という悪条件だったが、走者を許しながらも無失点に抑えた。
「初回は真っすぐ中心で11球だった。変化球もバッターに対して投げておきたかったので2イニング目も行きました。土が(スパイクの裏に)まとわりついて踏ん張れなかったけど、最後のチェンジアップは低めに投げられた(この日3つ目の三振)。ただ、初回の真っすぐは理想に近いボールだった。NPBじゃないにしても、空振りをするようなああいう反応はいい傾向。さらに段階を上げていければいい」
7月末の2軍戦では5回無失点も「色々やりながら、打たれたところもたくさんありましたし、駄目なところもあった」と話していた。それに比べれば、今回はかなり前向きな言葉が並んでいたし、表情も晴れやかだった。
藤田悠太郎19歳とバッテリー
ところで、この試合でバッテリーを組んだのは高卒1年目のドラフト7位ルーキー、藤田悠太郎だった。
和田はプロ22年目の43歳。
一方で19歳の藤田悠は2005年6月3日生まれ。この時和田はプロ3年目で先発ローテの一角でバリバリ活躍していた。藤田悠が生まれた翌日にはこの年に導入されたセ・パ交流戦の巨人戦(東京ドーム)に先発して8回途中2安打10三振2失点の快投で6勝目を挙げていた。
和田は「自分の娘の1つ上。だから息子だと思って投げました(笑)。しっかりどっしりしてて、19歳とは思えない雰囲気がありましたし、しっかりリードもしてくれましたよ」と優しい笑顔だった。
藤田悠にとっては「練習も含めて今日初めてバッテリーを組みました。球の質というか、気持ちの入った球というのはこういう球なんだと感じましたし、構えたところにくる。僕は福岡出身ですし、ホークスの左投手といえば和田さんだと思ってずっと見ていました。こういう日が来るなんて子供の頃は夢にも思いませんでした」と貴重な一日となったようだ。
※(写真はすべて筆者撮影)