NY原油6日:45ドル割れ、ゴールドマンの弱気見通しで売り安心感
NYMEX原油9月限 前日比0.49ドル安
始値 45.16ドル
高値 45.27ドル
安値 44.20ドル
終値 44.66ドル
供給過剰の長期化懸念で期近限月が続落する一方、期先限月は小反発した。
アジアタイムは45ドル台前半で方向性を欠く展開になったが、欧州タイム入りと前後して45ドルの節目割れを打診する動きが強まり、ニューヨークタイムに向けて一気に値位置を切り下げる展開になっている。需給見通しに何か大きな修正を迫るような動きが発生している訳ではないが、米ゴールドマン・サックス・グループが原油の過剰供給状態が長期化するリスクを指摘したことが、心理的な売り安心感につながった模様。
ゴールドマンによると、現在の国際原油需給は日量200万バレル規模の過剰供給にあり、今秋には貯蔵能力が限界に達する可能性を指摘している。更には生産の伸びを抑制するには低価格が必要として、原油相場が更に下落するリスクを指摘している。しかも、2016年に需給バランスが均衡を取り戻しても価格が回復しない可能性を指摘しており、原油相場の弱気派は追い風を受けた格好になっている。
ゴールドマンの予測によって原油需給見通しが変わる訳ではないが、改めて原油相場の回復が難しいことが周知された心理的なインパクトは大きい。明日は米雇用統計の発表を控えているが、ここでドル高が加速することになれば、40ドル割れの可能性も想定しておく必要がある。なお本日は終値ベースでも45ドルの節目を割り込んだが、これは3月17日以来のことである。3月17日の年初来安値42.63ドルが接近している。