子どもの主体性ってなに?わがままとの違いや主体性が小学校で役立つ理由を現役保育士が解説
こんにちは!ぽん先生です。
「少しでも楽しく子育てを!」をモットーに、子育てや育児に関する情報の発信を行っている現役の保育士です。
今回は頂いたご質問はこちら。
Q:「子どもの主体性」という言葉をよく聞きますが、自分で調べてみてもよく分かりません。なぜ自由にやらせて子どもがわがままにならないのか教えていただきたいです。
皆さんは「子どもの主体性」という言葉を耳にしたことがありますか?
最近は保育理念や保育目標などで見かける機会が多いと感じる一方で、子どもに好き勝手やらせることと何が違うのかということについては非常に分かりにくいもの。
なぜ主体性が大切だと言われ、なぜそれがわがままになることとは違うのでしょうか。
今回はこちらについて分かりやすく解説していきたいと思います。
「子どもの主体性」とは何なのか?
私は主体性という言葉には2つの意味があると考えています。
1つ目は自分に向けた主体性。
いま何をするのか自分で選ぶということ。
2つ目は他者へ向けた主体性。
つまり、周りとの調整能力ということです。
そして、保育や育児などで使われている「子どもの主体性を育てる」という言葉は、周りとの調整能力を身につけるという意味で使われているのです。
一般的に主体性というと、1つ目の「いま何をするのか自分で選ぶということ」という意味で捉えられがちでしょう。
これだけで見ると、自己中心的でわがままな子になってしまうのではないかと心配になるもの無理はありません。
しかし、保育において主体性と呼ばれているのは2つ目の他者へ向けた主体性です。
これは例えば保育園でいうなら、クラスのルールや決まりなどといった共同体における枠組み作りに参加するという意味です。
これまでの保育は、保育士が子どもたちにルールを教えることも多かったと思います。
しかし、子どもたちが保育士と一緒に枠組みを作っていくことで、子ども自身がどのようにして集団の中で力を発揮していくのかという社会性を身につけることができるのです。
さらには、そのような取り組みを通してどうやって自分の想いを相手にうまくどうやって伝えるかということも学ぶことができるでしょう。
そのため、わがままになってしまうこととは全く別の話であり、むしろ小学校へ上がって大人の目が少なくなったとしても、子ども同士で助け合ったり解決したりする重要な力となるのです。
※ルールの作り方に関連する記事はこちら。
全員が持っている個人の主体性
それでは、1つ目に挙げた「自分に向けた主体性」とはどのように向き合っていくべきなのでしょうか。
結論からいうと、それについて特に考える必要はないでしょう。
なぜなら、自分に向けた主体性については誰しもが持っているものだからです。
例えば子どもの中には、「どちらのお菓子が食べたいですか?」と質問した時に、「分からない」「先生が決めて」と答えるような子がいます。
それでは、この子たちには主体性がないのでしょうか。
結論を言うと、そういった子にも主体性はあります。
なぜなら、その子は
・自分で選ばない
・先生に決めてもらおう
と自ら主体的に決めているのです。
しかし、そういった選択は心身ともに健康的な選択だと言えるでしょうか。
それは当然違うと言わざるを得ないと思います。
ところが、そういう子に対して「それじゃあダメ」「自分で選びなさい」と言ったところで、本当の意味でその子が自由な選択をできるようにはなりません。
他者へ向けた主体性に注目し、そういった力を培っていくことで、自然と消極的な選択は無くなっていくのです。
このようなことから「自分に向けた主体性」について考える必要はなく、「他者へ向けた主体性」について考えていけば良いということが言えるでしょう。
いかがですか?
勘違いされやすい「子どもの主体性」という言葉ですが、動画ではより詳しく解説しているので、興味を持った方や学びを深めたいと思った方は良かったらそちらもご覧ください。
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