スカートの短い女性社員を注意したらセクハラ扱い!?波風立てない指導法とは
最近では、制服着用を義務付ける企業も少なくなり、職場でオフィスカジュアルを取り入れる企業も多くなっています。
しかし、服装の自由度が高まってくると、それに伴って「服装の乱れ」の問題も登場します。その中でも、女性社員の服装で「スカートが短すぎる」「露出度が高い」など、職場の人間が困っているにも関わらず、なかなか言い出せない…そういったケースもあるようです。
実際に、男性管理職の方が女性社員に「スカートが短いのでは」と指摘したところ、「どこを見てるんですか?セクハラですよ」と逆襲されてしまった、ということがありました。
そこで今回は、女性社員の服装を注意するなら、「いつ」「誰が」「どうやって」行うのがベストなのかについて、お伝えしていきます。
露出度が高い女性社員は目的があるの?
職場で露出度が高い女性社員を見ると、「男性社員の気を引きたいのか」「どういうつもりなんだ?」と勘繰りたくなるかもしれません。
しかし多くの場合、服装選びは単に「その人のセンス」です。その女性社員が「ミニスカートを履くのが好き」「肩が空いた服装をしたい」というだけであって、実は単純な好みの話なのです。
ひょっとしたら男性の目を意識している場合もあるかもしれませんが、それは少数派でしょう。ただ好きな服を着て会社に行っただけなのに、その服装が職場にふさわしくなかった、という結果になってしまっているのです。
自分自身では「浮いている」という自覚もないため、悪気もなく普段通りの服装で会社に行っているだけなのです。
気になったら「すぐ」注意しよう
とはいえ、いくら制服が廃止されて服装が自由化されても、会社は仕事をする場所です。服装にも節度が必要でしょう。もし服装によって会社の風紀が乱されているとしたら、指導するのは「セクハラ」には当たりません。
では、どうやって注意をしたらいいのでしょうか。
まずはタイミングですが、「気になったらすぐ」が重要です。「気になっているけど、言いづらくて…」とそのまま放っておいて、3カ月後に指摘したとしても、「なぜ今?今までは何も言われなかったのに」と注意されている方にもモヤモヤが残ってしまいます。部下への指導や注意は一貫性が大切です。
注意をするのは「同性上司から」がベスト
次に、「誰が」注意するかです。女性社員の服装に気になる点があっても、男性からは言いにくいものです。そんな時は、女性のリーダーに伝え、同性から注意してもらうのもいいでしょう。
特に適任なのは、注意したい女性社員と関係性の良い上司や先輩です。しかし、日本の企業の場合、管理職はほぼ男性です。女性のリーダーに適当な人物がいなければ、男性管理職から直接伝えるしかありません。
波風を立てず、しかも伝わる指導法
そこで、具体的な伝え方です。
先ほど「服装はセンスです」とお伝えしました。そうなると、服装を否定することはセンスを否定することになってしまうため、ズバッと言わず、婉曲的に伝えたくなります。
しかし、ここは職場です。服装に関してでも、仕事上で必要な指導に、意図がわかりづらい伝え方は良くありません。
たとえば、こんな伝え方はNGです。
「そのスカートはあなたに似合っているけど、少し短い気がするから気をつけてね」
これでは、言いたいことが伝わらない危険もありますし、逆に気を遣った言い方がセクハラと受け取られることもあります。
わかりにくい言い方は避け、事実を直接伝えましょう。その際、注意をする点は「自分の主観」ではなく、「会社のルール」を根拠にします。
「スカートの丈は『膝が隠れる丈』と会社のルールで決まっているので、これからはお願いします」
このように「ルール」を根拠に伝えます。もし会社に服装についての規定がなければ、次のように社会の一般常識を根拠に伝えるといいでしょう。
「職場の服装という観点から考えると、スカートは『膝が隠れるくらいの丈』が適切ですので、これからはお願いします」
もし今後も同様の問題が懸念される場合は、会社で服装のルールを決め、共有します。服装は社内だけの問題ではなく、社外の方からも見られる部分です。会社の品位に関わりますので、気を付けたいですね。
まとめ
服装が気になる場合の、注意方法は以下の通りです。
●気になったら、すぐに伝える
●できれば同性の上司から伝えてもらう
●主観ではなく会社ルールとして伝える
なかなか伝えにくいと思うかもしれませんが、注意するのは本人のためです。女性社員の服装が改善されれば、アップするのは本人の印象なのです。そのことを念頭に置いて、相手への思いやりをもって注意をしましょう。
研修トレーナー太田 章代
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太田章代の『ビジネスコミュニケーション術』