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日曜日の首都圏の雪は下層寒気の強さ次第

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
3月14日、雪の中で東京は桜が開花(ウェザーマップ)

日曜日の朝は山沿いを中心に雪

日曜日午前9時の雨や雪の予想(ウェザーマップ)
日曜日午前9時の雨や雪の予想(ウェザーマップ)

今週末の日曜日は、南岸低気圧が通過する影響で、首都圏では雨または雪が予想されています。

降水がピークとなる日曜日午前9時頃の予想をみると、日光、みなかみ、秩父地方、奥多摩など、標高500メートル以上の山沿いで雪が予想されており、このあたりでは積もる可能性が大きいと言えるでしょう。

一方、宇都宮、前橋、八王子など内陸の都市部でも、みぞれが予想されていますが、東京都心や横浜など南部の都市部では冷たい雨が主体となる予想です。

ただ気象庁から関東甲信地方に大雪に関する情報が出されており、寒気が予想以上に強かったり、降水量が増えた場合は平野部でも雪に変わり、積雪となる可能性が示唆されています。さらに降る雪の量が増えれば、平野部でも大雪となるおそれがあるとも発表されています。

それは以下に示すような下層寒気の強さがポイントの一つとなります。

下層寒気の強さは前回の雪と酷似

3月14日(土)の上空寒気の解析(ウェザーマップ)
3月14日(土)の上空寒気の解析(ウェザーマップ)
3月29日(日)の上空寒気予想(ウェザーマップ)
3月29日(日)の上空寒気予想(ウェザーマップ)

首都圏で雪となるかどうかは、なんと言っても、最下層と呼ばれる上空約500メートルより低いところへの寒気の流れ込みが重要となります。この最下層へ0℃以下の寒気が流れ込み、この寒気が強ければ強いほど、みぞれや雪となる可能性が高まることになります。

実際に、約2週間前、東京で桜が咲いた日(3月14日)、関東で予想以上に気温が下がり、東京を含めて雪となりましたが、その時の最下層の解析値が上図(上)です。

上空約500メートルでは北から0℃以下(淡いブルー)の寒気が明瞭に流れ込み、上空約250メートルでも1℃程度となっており、午後3時の東京の気温は1.9℃で、実況は雪となっています。

一方、上図(下)が今週末日曜日(3月29日)午前6時の最下層の予想値です。

同じように上空約500メートル付近では北から0℃以下の寒気が明瞭に流れ込んでおり、しかも上空約250メートルでも0℃以下の寒気が東京付近まで到達しており、むしろ前回の降雪時よりも寒気がやや強い予想となっています。

寒気がこのままで降水量が増えた場合は、やはり東京都心を含めて、平野部でも日曜日の朝は広範囲で雪となり、しかも雪化粧してもおかしくない予想となっています。

都内を含めて、外出自粛要請が出されていますが、もし外出されるような場合は、雪の降り方に十分注意をしていただきたいと思います。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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