【仙台市若林区】空白の100年、10個の謎を紐解く。企画展「ザンザコザン荒浜磯獅子踊」が開催中!
仙台市宮城野区・若林区を愛する号外NETライターの長谷川誠です。
文系直球ど真ん中オジサンなもので、自分が住んでいる地域(または身近に感じられる東北全般)の歴史や文化といったものに好奇心がくすぐられます。人々が何を考え、どのように生活をし、どのような歴史を紡ぎながら現在に至っているのか。それを知ることで、何だかその土地の「見え方」が変わってくるような気がするんです。
まぁ、文系とはいうものの学生時代の専攻は社会学でして、「日本民俗学の父」と呼ばれている柳田國男先生に関する入門的な講座を履修したことがある程度。ただの民俗学的考察が好きな素人オジサンではありますけれども…。
ということで今回ご紹介するのは、個人的にも興奮してしまった民俗学的な企画展。100年前に踊られたのを最後に途絶えてしまったという、ある「踊り」に関する企画展です。
その企画展が開催されているのは、こちらの記事でも何度かご紹介したことのある「せんだい3.11メモリアル交流館」。
開催会場は2階の常設展・企画展示室。入口には企画展のポスターが掲示されています。
企画展の名は「ザンザコザン荒浜磯獅子踊~100年の空白と10の謎」。
今からおよそ100年前を最後に踊られることのなくなった「荒浜磯獅子踊(あらはまいそししおどり)」。海岸沿いの荒浜地区で踊られていたという、その「荒浜磯獅子踊」について知り、謎を紐解いていく企画展となっています。
企画展示エリアに進むと、「荒浜磯獅子踊」の踊り手の形を模したパネルが飾られています。
企画展のタイトルに「10の謎」とあるように、0~10までそれぞれの「謎」について解説されていました。
ちなみに0番パネルは謎への導入部。「荒浜磯獅子踊」とはどのようなものだったのか、いつ踊られたのが最後なのかが書かれています。ふむふむ。なるほど。タイトルにある「ザンザコザン」とは腹につけた太鼓を叩くときの叩き方なんですな。
そして1つ目の謎は「名前の謎」、2つ目の謎は「始まりの謎」。このパネルを数字純に追いかけていくことで、自然と「荒浜磯獅子踊」に関する理解が深まっていきます。
一人フムフムと頷きながらパネルを読み込むオジサン。誰かに教えてあげたくなりますが、せっかくの企画展。こちらの記事で詳しく書くことは割愛しますので、皆さんご自身の目で確認していただきたいと思います。
他にも企画協力が仙台市歴史民俗資料館ということもあり、展示エリアの中央には貴重な資料がズラリと並べられています。
実際に過去に使用されていた「荒浜磯獅子踊」の頭も展示されていました。100年間の空白があるということは、こちらの頭は100年以上前のもの。おぉ、1世紀前の装飾品…。
こちらは100年間の空白期間を経て「荒浜磯獅子踊」を現代に復活させようという、現在進行形のプロジェクトで再現された「荒浜磯獅子踊」の頭。ふむふむ。骨組みはこんな感じになっているんですな。
そして、こちらも貴重な展示。
仙台市歴史民俗資料館所蔵の音声記録とのこと。これは貴重な資料です。早速ヘッドフォンを着用し聞き入るワタクシ。音を耳にしてみると、実際の踊りも見てみたくなってきます。復活プロジェクトに期待。
ちなみにこちらの音源が録音されたのは1956年、「荒浜磯獅子踊」が躍られなくなってから三十数年後。学術的な資料として録音されたものなんでしょうねぇ。
いかがだったでしょうか。荒浜地区で踊られていた「荒浜磯獅子踊」を深く知り、その謎にせまることができる企画展「ザンザコザン荒浜磯獅子踊~100年の空白と10の謎」のご紹介でした。
開催期間は2025年2月16日(日)まで。気になった方は是非足を運んでみて下さいね。
●せんだい3.11メモリアル交流館●
〒984-0032 宮城県仙台市若林区荒井字沓形85−4