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桜満開の東京は劇的な気温の乱高下に要注意、夏日から一転真冬の寒さも?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
正午の気温予想(ウェザーマップ)

季節外れの暖気が居座り、夏日が続出

上空の気温予想(ウェザーマップ)
上空の気温予想(ウェザーマップ)

きょう22日(水)は、全国的に今年一番の暑さとなった所が多く、25度以上の夏日や3月の観測史上1位の地点が続出しました。

最も上がったのは熊本県鹿北の28.5度で、7月上旬並みの暑さとなった他、東京でも23.8度と今年一番の汗ばむ陽気となり、全国で最も早く、桜が満開となりました

季節外れの暑さとなっているのは、上空に季節外れの暖気が流れ込んでいるためで、この状態はあさって24日(金)頃まで続き、上図のように上空1500メートル付近の気温は平年より10度前後も高い赤一色の状態が予想されています。

上空1500メートル付近で10度以上あれば、晴れる地上付近では25度以上の夏日となる可能性も高くなりますので、引き続き、記録的な暖かさ、暑さという所が出てくるでしょう。

ところが状況が変わってくるのは25日(土)で、西日本はまだ赤色が優勢な一方、北日本はほぼ平年並みに下降し、さらに注目すべきは関東地方に北から3度以下の寒気が垂れ下がることです。(青い丸の中)

週末は冷たい雨で、真冬のような寒さの可能性も

雨や上空の気温予想(ウェザーマップ)
雨や上空の気温予想(ウェザーマップ)

上述したように25日(土)は、上空1500メートル付近で3度以下の寒気が北日本から関東平野に流れ込んでくる予想で、しかも南岸沿いに前線が停滞し、低気圧も発生する可能性があるため、その影響で雨雲が広がる見込みです。

関東地方では、北風が吹き、冷たい雨が降るパターンだと、平地の気温は、上空1500メートル付近の気温にプラス5度程度となることが多いため、上図の予想からは、日中の気温が10度を下回ってしまう可能性も十分に考えられます。

東京は夏日から真冬の寒さに一転する可能性も

気象庁発表の予報(気象庁発表に筆者加工あり)
気象庁発表の予報(気象庁発表に筆者加工あり)

気象庁がきょう22日(水)に発表した東京の予報では、あさって24日(金)の最高気温は24度で、気象条件による誤差幅の上限は27度と平年より約12度も高く、6月下旬並みの暑さとなる可能性も想定内となっています。

東京の3月過去1位の気温は、2013年3月10日に観測した25.3度ですから、もし27度まで上がるようなら、断トツで3月過去1位の暑さを更新することになります。

一方、25日(土)の最低気温に注目すると、これは朝の最低気温ではなく、1日の中での最低気温を示しており、25日(土)の日中に10度未満の最低気温(日中としては真冬並み)が出現する可能性も十分に考えられます。

週末にかけては季節外れの夏日から一転、真冬に戻ったような寒さとなる可能性がありますので、お花見に行かれる方などは、劇的な気温の乱高下による花冷え、寒の戻りにくれぐれもご注意ください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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