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梅毒感染者数が過去最多に - 歴史から学ぶ予防と早期発見・早期治療の重要性 #専門家のまとめ

大塚篤司近畿大学医学部皮膚科学教室 主任教授
(写真:イメージマート)

梅毒は500年以上前から世界中で流行してきた性感染症ですが、近年再び感染者数が増加傾向にあります。初期症状が見逃されやすく、放置すると重篤な合併症を引き起こす危険性があるため、注意が必要です。以下の記事では、梅毒の歴史的背景や特徴的な皮膚症状について解説するとともに、最新の感染状況や適切な検査・治療法についてもまとめています。梅毒への理解を深め、予防と早期発見・早期治療の重要性を再認識することができるでしょう。

ココがポイント

▼梅毒感染者数が3年連続で過去最多を更新。放置すると心臓や脳に障害が出ることも。クラミジアや淋菌感染症も若者に多い。

・梅毒 3年連続過去最多 治療せずに放置するとどうなる?…クラミジアや淋菌感染症も若者に目立つように(ヨミドクター)

▼梅毒は500年以上流行し、皮膚症状は無痛性潰瘍から全身発疹、結節やゴム腫に進行し、差別と苦痛を伴う。

・梅毒の歴史と皮膚症状 - 500年にわたるパンデミックと人類の闘い(Yahoo!ニュース エキスパート 大塚篤司)

▼梅毒の皮膚症状は硬性下疳からバラ疹まで多様で、見逃さずに早期診断と治療が重要。

・梅毒の皮膚症状を見逃さないで!硬性下疳からバラ疹まで - 皮膚科医が解説(Yahoo!ニュース エキスパート 大塚篤司)

エキスパートの補足・見解

梅毒は500年以上前から世界中で流行してきた性感染症ですが、近年再び感染者数が増加傾向にあります。初期症状である硬性下疳は無痛性で見逃されやすく、治療せずに放置すると重篤な合併症を引き起こす危険性があるため、注意が必要です。梅毒の歴史を振り返ると、感染者への差別や偏見、不十分な治療法など、社会に大きな影響を与えてきたことがわかります。また、感染初期から後期にかけて現れる特徴的な皮膚症状を理解することは、早期発見につながります。現在の日本では、2022年以降、過去最多の感染者数を記録しており、特に若い世代での感染が目立ちます。感染が疑われる場合は、速やかに検査を受け、適切な治療を開始することが重要です。梅毒への理解を深め、予防と早期発見・早期治療の意識を高めることが、感染拡大防止につながるでしょう。

近畿大学医学部皮膚科学教室 主任教授

千葉県出身、1976年生まれ。2003年、信州大学医学部卒業。皮膚科専門医、がん治療認定医、アレルギー専門医。チューリッヒ大学病院皮膚科客員研究員、京都大学医学部特定准教授を経て2021年4月より現職。専門はアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患と皮膚悪性腫瘍(主にがん免疫療法)。コラムニストとして日本経済新聞などに寄稿。著書に『心にしみる皮膚の話』(朝日新聞出版社)、『最新医学で一番正しい アトピーの治し方』(ダイヤモンド社)、『本当に良い医者と病院の見抜き方、教えます。』(大和出版)がある。熱狂的なB'zファン。

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