東京で早い初真夏日 この夏は雨多く、気温低め
東京では24日、今年初めて最高気温が30度を超えた。最近では5月の初真夏日は珍しくない。今年は夏の訪れが早いが、最新の予想ではエルニーニョが影響して、全国的に不順な夏になるという。
早まる夏の訪れ
東京は24日、平年と比べ24日早く、昨年と比べても16日早く初真夏日となりました。まだ5月なのに、もう真夏日と思われるでしょう。でも、2017年は今年よりもさらに早い5月21日でした。2000年以降、5月の初真夏日は今年を含めて8年あり、半分近くを占めます。
どのくらい夏の訪れが早まっているのか、平年値を使って調べてみました。天気予報では「平年と比べて」といい、基準となる値または、その場所の気候を表す値として使われる重要なものです。現在の平年値は1981年から2010年までの30年間の気象データから求めています。平年値は10年毎に新しくなり、次は1991年から2020年までの30年間です。
今の平年値では東京の初真夏日は6月17日です。まだ完全ではありませんが、仮に次の平年値と比べたらどうなるのでしょう。仮の新平年値は6月9日となりました。今と比べて8日も早くなるようです。近い将来、5月の初真夏日が当たり前になる、こんな言い方も大げさではないかもしれません。
エルニーニョが影響 この夏は気温低め?
暑くなるのが早いと、この夏の暑さが思いやられます。このまま暑くなってしまうのでしょうか?
最新の3か月予報(6月-8月)によると、7月と8月の平均気温は沖縄・奄美を除く全国で、平年と比べ低くなる確率が40%、平年並みの確率が30%、そして高くなる確率は30%です。全体的に差がはっきりせず、わずかに低くなる確率が高くなっています。
エルニーニョ現象は少なくとも夏まで続く可能性が高いです。そうなると、日本の夏の天候に大きく影響するフィリピンの東海上の対流活動は不活発(雲の発生が少ない)となり、夏の高気圧が日本列島に張り出しにくくなる、という考えです。そして、北日本に影響するオホーツク海高気圧が平年と比べ現れやすいとみられ、こちらも気がかりです。
入りは遅く、明けも遅い
本州の梅雨入りは早いのでしょうか、それとも遅いのでしょうか?
予想では6月の西日本と東日本は平年と比べくもりや雨の日が少なく、7月は平年と比べくもりや雨の日が多くなる、とあります。この文からは梅雨入りがいつになるのか、はっきりしたことはわかりません。
しかし、梅雨前線は夏の高気圧が強まることで、徐々に本州に近づいてきますから、6月に雨の日が少ないのならば、梅雨入りが遅いとも読み取れます。または、梅雨入りは平年通りでも、梅雨らしくない天気が多いかもしれません。そして、7月になると雨の日がグンと増えて、なかなか梅雨明けしない可能性がありそうです。
天候の良し悪しは別として、もしも来年の夏が今年のようだったら、オリンピック期間中の暑さが少し和らぐかもしれない。淡い期待を持つのは私だけでしょうか。
【参考資料】
気象庁:向こう3か月の天候の見通し 6月~8月、2019年5月24日
気象庁:全般季節予報支援資料 3か月予報 予報期間:2019年6月~2019年8月、2019年5月24日