2022年2月24日（木）にテレビ朝日系列で放映の「科捜研の女season21」第12話で、若村麻由美さん演じる監察医の風丘早月さんの同僚役を演じます。東映京都俳優部所属の大石彩未さん（35）は寅年の今年、年女。京都生まれの京都育ち、京都が好きで18歳の時に有名老舗旅館で仲居をする中で「目の前の人に楽しんでもらうこと、喜んでもらうことが好きだ」と気づいたと言います。そんな思いから、右京区太秦にある東映京都俳優養成所の門を叩きました。

　東映京都の養成所時代は、「衣装さんにいきなり手甲脚絆（てっこうきゃはん）を渡されて、これなんやろ？　から始まり、手取り足取り誰も教えてくれない世界。朝誰よりも早く支度部屋に行き先輩方に三つ指ついて挨拶し、時代劇という特殊な芝居の立ち居振る舞い、現場での動き方、衣装やカツラの扱い方など、毎日怒られながら身につけていった。」のだそう。この時期に京都芸術大学の舞台芸術学科に進学しますが、学業の傍ら、日々の成長を感じ、楽しくて毎日自転車で40分かけて通ったと言います。その後、徐々に 時代劇はもちろん現代劇の 撮影現場や映画村の福本清三ショーなどに出演し始めます。

　こんなエピソードも。映画「人間失格」（’10）での役柄でのこと。生田斗真さん演じる葉蔵と、伊勢谷友介さん演じる堀木が遊びに来た茶屋の芸者役で、「セリフの語尾が監督のイメージと違ったのか、明確な指示がない中何度も撮り直しに。同じ芝居を繰り返し行ううちについ語尾を変えて言ってしまいました。その途端、それまでまったく喋らなかった荒戸源次郎監督が『それだよ！！』とOKになりました。その時にワンシーンにかける監督の情熱を感じたんです。」と言います。

　大学卒業後、外の世界も見てみたいと26歳から3年間の東京暮らしを経験しますが、水に合わず、京都に帰って後2年間、31歳まで一人で小さな喫茶店を営んでいました。しかし撮影所のスタッフの尽力もあり、店は閉店し、意を決して現場に復帰しもう一度女優への道を歩み始めます。

　芸者役などしんなりした役どころが多いという大石さんはこれまで、「最高の人生の見つけ方」「のぼうの城」「最後の忠臣蔵」などの映画、「必殺仕事人2020」「科捜研の女」「遺留捜査」「小吉の女房２」「雲霧仁左衛門４」などのテレビドラマに数多く出演してきました。あこがれは、安藤サクラさんや大竹しのぶさん、寺島しのぶさんだそうで、「映像の中でちゃんと“実在している存在”でありたい」と語ります。

　そんな大石さんですが、実は、もう一つの素顔が……。京都市内で「紡 cafe」や「紡 Dining」を運営し、不動産売買や町家を再生した宿泊施設、飲食施設の管理運営を行う（株）レ・コネクションの企画マーケティング部広報担当としてオフィスワーカーをしています。「何もないところに企画創造していく仕事は、女優に繋がるところがある」と言います。二足の草鞋となりますが、どちらも持ち前の明るさを武器に真剣勝負で頑張っています。京都の輝く星となれ！　応援したいですね。

東映京都俳優部 （外部リンク）