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「ミヤネ屋」でニュース解説12年、春川正明さんが語る今と覚悟

中西正男芸能記者
今年からフリージャーナリストとして活動を始めた春川正明さん

 読売テレビ「ミヤネ屋」のニュース解説を2007年から19年まで務めた春川正明さん(60)。昨年12月で読売テレビを退社し、今年1月からジャーナリストとして吉本興業とエージェント契約を結び所属することになりました。3月21日に開局するBSよしもとの番組「ワシんとこ・ポスト」でレギュラーを務めるなど活動の幅を広げていますが、フリー転身の理由、そして今後への覚悟を語りました。

吉本興業所属

 今年1月から吉本興業さんにエージェント契約という形で所属することになりました。

 まだフリーになって少ししか経っていないので、あれこれ言うのもおこがましいんですけど、改めて「お金を稼ぐって大変やな…」と痛感もしてますね(笑)。

 37~38年読売テレビに勤めていて、サラリーマンだったので毎月決まった金額が入ってきていた。でも、今は仕事に応じてお金が入ってくる。新型コロナ禍でキャンセルになった仕事もありますし、当然なんですけどシビアやなと思います。

 これまでは業務として「ミヤネ屋」などにレギュラーとして出演していたんですけど、この立場になるとレギュラーがいかにありがたいかも感じます。

テレビ報道への“敵対心”

 長年、報道の仕事をやってきたんですけど、それは読売テレビという大きな看板を背負ってのこと。よく言う話でもありますけど、その看板を外した時に自分がどれだけのことができるのか。それを試してみたい。それがフリーとしてやってみようと思った根本にある思いでした。

 あと、大きかったのは2019年から1年弱でしたけど読売巨人軍に編成本部次長兼国際部長として行ったことだと思っています。

 ずっと報道にいて、初めて外の世界に出たわけです。外からニュースを見ると、これはこれでいろいろ感じましたしね。

 中にいた時は当たり前になっていた部分があったのかもしれませんけど、改めて「やりがいのある仕事なんだな」と思いました。海外に行くことで、逆に日本の良さを再認識するというか。

 それと同時に、いかに一般の方がジャーナリズムに対して、なんというのかな、いろいろな意味で“厳しい目”を持ってらっしゃるかということも痛感しました。若い人たちを中心に、テレビとか新聞といった大手ジャーナリズムへの反感があるというか。

 それは中にいた時も分かってるつもりやったんですけど、外から見てより一層、テレビ報道に対する信頼感の無さとか、なんなら敵対心とでも言うべき感情も持っている。

 若い人がなぜその思いを持つようになったのか。何が流れを生み出したのか。そこへの思いも今の仕事をしようと考えたところにつながっていると思います。

フリーの意味

 立場は少し変わりましたけど、今も昔も変わらないのは「少しでも世の中の役に立つ仕事をしたい」。ここはずっと一緒です。

 今の世の中ですごく気になるのは「みんなが同じような意見で、同じような形になっている」ということだと感じています。そこが一番気持ち悪いかなと思います。そこに臆せず「ちょっと違うんじゃないか」を発信する。これはしっかりと出していきたいと思います。

 「フリーになったら、そんな発信もやりやすくなったでしょ?」みたいなことも言われるんですけど、ま、私の場合は読売テレビにいたときから好き勝手にしゃべってましたからね(笑)。

 それを読売テレビ以外のメディアで、テレビ以外のラジオやコラムなどでも発信していける。そこはフリーの意味だと感じています。

 ただね、フリーになっての最初の仕事が野球のコラムだったんです。ニュースに関する仕事が来るのかなと思ったら、野球なんやと(笑)。でもね、これこそありがたい話で周りが自分の価値づけをしてくれるというか、どんなオファーが来るのか、それ自体も楽しみですね。ワクワクもしますし。

 一方で、会社員と違って生活も保障されていないですし、倒れたらそこでストップしてしまう仕事でもある。

 そんな思いもありコロナ禍での運動不足もあいまって、筋トレを始めました。息子に教えてもらってやってるんですけど、こんな話をしてたら筋トレの仕事が来るかもしれない?のもフリーの醍醐味ですよね。それやったら、昔からものすごく宝塚歌劇団も好きなので、その話もしとこかな(笑)。

(撮影・中西正男)

■春川正明(はるかわ・まさあき)

1961年5月5日生まれ。大阪府出身。関西大学卒業。大学時代は体育会硬式野球部に所属し関西学生野球6大学リーグ戦で活躍する。85年に読売テレビに入社。報道記者として勤務し、神戸支局長、司法キャップ、大阪府警キャップなどを歴任。18年から執行役員待遇解説委員長となる。19年に読売巨人軍・編成本部次長兼国際部長に就任。19年に読売テレビ復帰。21年末で読売テレビを退社し、22年からエージェント契約という形で吉本興業所属となる。3月21日に開局するBSよしもとの番組「ワシんとこ・ポスト」でレギュラーを務める。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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