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うっとうしい梅雨の雨、この時期におすすめの掃除場所4選

藤原千秋ライター、住生活ジャーナリスト
(写真:イメージマート)

毎年、作物にとっては慈雨なのだから良い塩梅に降ってくれるといいなと思いつつ、最中にはやはり鬱陶しいのが梅雨どきの雨というものです。

しかしそんな雨の日にこそやるのがいい掃除場所があるとしたら、少しは前向きに捉えられるかも?

雨の日がおすすめの掃除箇所、代表的なのは以下の4ポイントです。あまり無理せず予定と体力がうち揃っていてかつ気が向いたら、ぜひ試してみてください。

⒈ガラス窓の外側、ただしベランダがあるなど足場が安全な場所

ブーコさんによる写真ACからの写真
ブーコさんによる写真ACからの写真

ガラス窓の外側というのは、どんな家でも汚れているものです。なかでもとりわけ汚れが激しいのは交通量の多い道路に面しているか、近くを道路が通っている立地の窓の場合。あるいは土の畑や校庭が比較的近くにある場合など。煤煙や泥砂と雨水が混じり合って付着しています。

ただ、基本的にガラス窓がどんなに汚くても、お腹を壊したり火事を招いたりといったクリティカルな問題はほとんど生じません。ゆえに掃除の優先順位も低くなりがちですし、それでも特に問題がないのも確かなので、よく思い出したように暮れの大掃除などで取り組まれたりするのですが、率直なところ真冬にやっても寒くて辛いだけで割合に無意味です。

このような窓ガラスの外側掃除は梅雨〜夏時期の雨の日(暴風雨時は勧めません。シトシトくらいの日がおすすめ)にやるのが一番です。なぜなら晴れで湿度の低い(普通に掃除をするのには最も適していると思われる)環境で窓ガラスを掃除すると、拭きあとが素早く乾いてしまうために、仕上がりが汚くなるのです。(疑わしい場合はぜひ、晴れの日と雨の日とで、試し比べてみましょう。)

窓ガラスの外側掃除には、基本的にバケツに汲んだ水と大きめのメラミンスポンジ、T字型水切り(スクイージー)、捨ててもいいボロタオル、などがあれば充分ですが、煤煙(排気ガス)による黒いネトネトした汚れが多い場合には、少量の食器用洗剤を水に加えると良いでしょう。

比較的湿度が高ければいいので、雨以外でも曇りの日や、朝晩の日が当たらない時間帯などもおすすめです。

⒉ベランダ、ポーチなどの床、掃除に水を使えない規約の集合住宅ではむしろ雨の日がチャンス

おもいでさんによる写真ACからの写真
おもいでさんによる写真ACからの写真

日常的に洗濯物を干すベランダというのは、ギョッとするほど繊維クズや髪の毛で汚れているものです。それ以外でも流行りのべランピングやチル、朝食や動画配信など含め活用頻度が高いほどに掃除の必要性の高さを感じるにもかかわらずベランダは実は家の中でも、とりわけ掃除のしにくい場所なのです。

特にマンションなどの集合住宅ではダイレクトに隣近所に接してしまうため騒音やにおいなど出しにくいうえ、漏水の恐れがあるなどの理由で水を撒いてはいけないなどの規約が定められていることが多いのです。つまりこびりついた汚れをデッキブラシや高圧洗浄機で一気呵成にゴシゴシできないのです。

しかし大雨、嵐などの日に勝手にベランダに雨が吹き込んで大いに水浸しになってしまっているのは、わざとじゃありませんから、仕方がありませんよね。自然現象ですし……ついでにゴシゴシしても……。

とはいえ屈んで掃除するのは難儀ですし、やはり大きな音を出すのは憚られますので、水だけで汚れの落ちるポリエステルやナイロン製の繊維がヘッドについた柄の長い掃除道具があると手早く作業ができて便利です。ひとしきり擦ったら「濯ぎ」も雨水に委ねてしまいましょう。

⒊ベランダ、ポーチなどの排水溝、排水口は自己効力感が大

 ハイファさんによる写真ACからの写真
ハイファさんによる写真ACからの写真

雨の日に、ベランダやポーチなどに吹き込んだ雨水を滞りなく排出させるのに大切な排水溝や排水口。しかし泥砂や綿埃などで存外詰まりがちですし、植物があればなおのこと。天気が良い日にはうっかり見過ごしてしまいがちですが、雨の吹き込む、今こそ雨水を流さねば存在意義が廃る、といったタイミングで溜まった汚れを掻き取ってしまいましょう。

雨の日は排水口周りに溜まった泥やヘドロも、柔らかくなっていて剥がしやすいのもメリットですし、やった作業の結果がすぐ目に見えるのも良い。自己効力感、満足感の高まる、心に効く掃除箇所です。

⒋門扉などの外構部分は凹凸を歯磨き感覚で擦る

syuji@カメラマンさんによる写真ACからの写真
syuji@カメラマンさんによる写真ACからの写真

外構というのは、家の外側を構成するいろいろを指す建築用語です。戸建てなら門や門扉やフェンスやカーポート、マンションでもポーチや外照明や郵便ポストなど、存外家の外側にも家の要素があるもので、それらは窓ガラス同様、やはり汚れています。

汚れやすくありながら、しかし比較的凹凸が多いため埃が溜まってしまったり、場所によっては苔が生えていることもある外構。こういった部分の掃除も実は雨の日が楽ちんです。

大きな洗車用ブラシなどで、ゆるい歯磨きのようなイメージで雨の中擦るだけで付着した汚れが流されやすくなります。特別な洗剤は使わなくても大丈夫です。

とはいえ雨の日。せっかく掃除したところに、すかさず泥水が跳ね上げられ台無しになることもあるので、念のため。

イチオシの掃除箇所は、比較的台無しになりにくく、詰まりのデメリットの明らかな「3」排水口周りです。

ここだけは、ぜひゲリラ豪雨に見舞われる前に、一度手入れしておくことをお勧めします。

ライター、住生活ジャーナリスト

「家のなか」の事をテーマにウェブ、雑誌、新聞等で執筆。大手住宅メーカー営業職を経て2001年よりAllAboutガイド。主な著・監修書に『人生が整う 家事の習慣』(西東社)、『ズボラ主婦・フニワラさんの家事力アップでゆるゆるハッピー!!』(オレンジページ)、『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)等。2020年1月より東京中日新聞にてコラム『住箱のスミ』連載中。

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