“文学少女”の世界を音楽で表現。声優・堀江由衣が紡ぐ「経験してない思い出」とは?
『ラブひな』や『フルーツバスケット』から数々のアニメでヒロインを演じてきた声優・堀江由衣。アーティスト活動ではアルバムごとに味わい深い世界観を打ち立ててきた。その11作目となる『文学少女の歌集Ⅱ‐月とカエルと文学少女‐』が発売される。青春時代のもどかしさや純粋さが詰まった前作から季節を移し、卒業を歌った楽曲などが胸に染みる。ビジュアルも含め、この世界を見事に体現した堀江に制作の背景を聞いた。
写真のイメージが先にありました
――前作『文学少女の歌集』は4年半ぶりのアルバムでした。その前の空いていた期間は、音楽活動はお休みする方針だったんですか?
堀江 そういうことではなかったです。その間に婚活をしようかなと思いましたけど(笑)、結局しなくて。特に大きな理由があったわけでもなく……という感じでした。
――音楽へのモチベーションが下がっていたわけでもなかったんですね。
堀江 音楽に関しては今もアーティストというスタンスではなく、あくまで声を使う仕事のひとつという考え方です。だから、どのアルバムもレコード会社さんに「やろう」と言われたタイミングでリリースさせていただきました。4年半くらい空いたことも、前にもあったんじゃないですかね。
――『文学少女の歌集』のときも、自分からアルバムを出したいと思ったわけではないと。
堀江 でも、「出しましょうか」となったら、コンセプトを考えたりするのは好きです。『文学少女の歌集』は先に写真で「こういう世界観を撮りたい」というイメージがあって。今はインスタを見たら、エモい写真がいっぱいありますよね。そういう写真をディレクターさんに見せて、合う曲を選んでいきました。
――そのイメージの象徴が“文学少女”だったんですか?
堀江 写真からは、特に文学少女のイメージはありませんでした。どんな感じのアルバムがいいのか、何となく考えていたとき、私はずっと物語が好きで、昔から『(不思議の国の)アリス』の影響を受けていたので、『文学少女の歌集』がいいなと。ただ、文字通り“本を読んでいる女の子”というわけでもないんです。
――青春時代を表現するのに、堀江さんの歌声は合ってますよね。
堀江 その年代の感じは個人的にずっと好きなんです。ライブでも学園ものをテーマにしていましたし、洋服もトラッドなスクールガールふうのものが好みで。あと、私はいちおう17歳なので、自分の日常を切り取れば、今回のジャケット写真みたいになるのかなと(笑)。
好きな世界観が3年前と変わらなかったんです
――そこからまた3年経って、今回の『文学少女の歌集Ⅱ‐月とカエルと文学少女‐』をリリース。基本、前作と同じコンセプトにしたんですね。
堀江 好きな世界観が変わらなかったんです。アルバムはその都度、何かにハマっていたら、そっちに寄ったりしますけど、今回はやりたいことが前回と同じだったので、『文学少女の歌集Ⅱ』にしました。でも、前回は季節感が夏だったのが、今回は秋から春の初めまでに変わりました。
――青春世代の感じが好きとのお話でしたが、インスパイアされた青春ものの映画や小説やアニメがあったりもします?
堀江 はい。でも、何かひとつ「これ」とは挙げられなくて。子どもの頃から観てきたたくさんの作品の断片が、積み重っているんだと思います。ディレクターさんにも「こんな感じです」と、ひとつドンと見せられれば楽ですけど、いろいろな要素に憧れがあって、イメージを説明するのは難しかったです。
――卒業前の気持ちを思い出させるアルバムになりましたが、堀江さんにとっては物語の中の世界ですか? 自分の卒業の思い出が蘇ったりもしましたか?
堀江 私は高校の2年17組だと思っているので、卒業は来年なんですよね(笑)。だから、実は今回のアルバムに卒業の歌を入れることは、最初は思いつきませんでした。そういうテーマの曲を作ってくれた作家さんたちが結構いらっしゃって、逆に「なるほど」と思った感じです。でも、学校を卒業していく気持ちはもちろん知っているので、歌詞を読んで感じることはありました。
頭に浮かぶ光景は観てきたアニメやドラマの積み重ね
――歌っていて思い浮かぶ光景はありますか?
堀江 あります。ただ、前作含めてアルバム全体的に、何となく自分もそこにいた気はするけど、実際は経験してないことはありますよね。『スタートライン』の<海まで自転車走らせたね>という詞も、風景はすごく浮かぶんです。でも、実は学生時代にもそんなことはしてなくて(笑)。
――自転車で海までは行きませんでしたか(笑)。
堀江 自転車で遠出をしたことはありません。漕ぐのがヘタなので(笑)。なのに光景が頭に浮かぶのは、今までアニメやドラマや映画で観てきた積み重ねだと思うんです。実際にやった人もいるでしょうけど、頭の中になぜかそういう思い出がある人のほうが、意外と多いんじゃないですか?
――『月とカエル』にある、放課後に夢を語り合ったこともないですか?
堀江 語り合ってなかったと思います。さっさと家に帰るタイプだったので(笑)。でも、友だちの家で、夢でなくても語り合った経験はあります。学校で休み時間に普通に話していたことと、都合良く合体して思い出になっていく感じですよね(笑)。
ラジオで「曲を書いてくれますよね」と(笑)
――『月とカエル』をヨシダタクミさん(saji)に提供してもらったのは、ラジオの『堀江由衣の天使のたまご』がきっかけだったとか。
堀江 そうです。まだアルバム制作の話が出る前に、ヨシダさんがゲストで来てくださって。構成作家さんが台本に書いてくれたまま、「私に曲を書いてください」と言ったら、笑って「いいですよ」で終わったんですね。それから、アルバムを作っていたタイミングでまたゲストでいらしたとき、「そう言えば書いてくれるというお話でしたよね?」と聞いたら、本当に曲を作ってくれることになったんです。
――それが表題曲になって、アルバムタイトルにも使われて。
堀江 『Ⅱ』なのでサブタイトルがほしくて、うっすら考えていたところに『月とカエル』をいただいて。これに“文学少女”を繋げたら、しっくり来るなと思いました。
――楽曲自体にはリクエストしたことはあったんですか?
堀江 アルバムのビジュアルのイメージと前作の雰囲気をお伝えしたくらいで、細かいことはあまり言っていません。でも、sajiさんの曲で学生さんの日常のようなMVがあって、自分が描きたい世界観と近い感じがしたので、伝わりやすかったのかもしれません。
――他の曲ではコンペもしたんですか?
堀江 ヨシダさん、大川(茂伸)さん、清(竜人)さん以外はコンペでした。先入観を持たないように作家さんの名前は見ないで、200曲ほどの中から選んだら、たまたま3曲が同じ吉岡(大地)さんという方の曲だったんです。「これも? えっ、これも?」とビックリしました。普段はあまり選ばない曲調ですが、吉岡さんのメロディや雰囲気に、私が惹かれるポイントがあったんだと思います。
作らずにまっすぐ歌うことを心掛けました
――確かに、どれもいい曲ですね。特に『君とさよなら』は片思いの切なさが染みます。
堀江 これは詞を学生さん寄りの目線に直していただきました。もともと雨がテーマの曲だったんです。最近同じテーマが多くて、最初に出来上がった清さんの『瑠璃色の傘を差して』でも雨が降っていたので、ちょっと調整していただきました。
――堀江さんのボーカルはわりとフラットで、聴くと逆に心が震えます。
堀江 そこは今回のアルバムで、ちょっと意識したところです。あまり作らないというか。アニメの女子高生ってキャピキャピしていたり、逆にダルい感じがあったりしますけど、そうならずにまっすぐ歌うことを心掛けていました。
――切ない気持ちにはなりつつ?
堀江 情景は浮かびつつ、歌の感情表現の仕方って、これだけやっていても難しい部分があって。台詞を「こうしてください」と言われたら、作品のテイストも考えて、求められることは何となくわかるんです。でも、歌になるとまた違って。「こう聴かせよう」としたら感情が入るにしても、必要な技術もあると思います。
――シンガーの方に「口の開き方によって感情が乗った声が出る」と聞いたことがあります。
堀江 声優の経験がない人に「ここに感情を込めて」と言っても、難しいですよね。同じように、私が歌に変に感情を込めたら、失敗する気がします。気持ちが入って揺らぐことはあっても、感情を作る技術はないので。素人が手を出していい領域ではないと思っています(笑)。
――堀江さんもだいぶ長く歌ってきて、素人ということはないかと(笑)。
堀江 本当にこんなにやってきて、素人というのは申し訳ないですけど、そんな気持ちではいます(笑)。
やる気のない女の子の歌があってもいいなと
――『Wake Up』で作詞もしたのは、ほしいテイストが自分にしか書けないと思ったからですか?
堀江 私は“前を向いてGO”みたいなポジティブな詞を書きがちですけど、今回はやる気のない抜けた感じの女の子の歌があってもいいなと思って、作詞しました。曲はコンペで集めて、最初はもっとユルいテンポをイメージしていたのが、気に入ったこの曲はテンポが速め。だったら、あえてこれで、やる気のない女の子の歌詞にしようと思いました。
――自分の詞を入れたい気持ちはあって?
堀江 入れたいというより、「入れなくていいんだっけ?」という気持ちでした(笑)。『Wake Up』は最後にレコーディングした曲で、それまで歌詞を書くタイミングがなくて、「このままだとアルバムに自分の歌詞がありませんけど大丈夫ですか?」という。
――『天たま』での話だと、「月曜までに半分書けなかったらギブアップ」ということだったそうですが、何曜日から月曜までだったんですか?
堀江 1週間もなかったですね。他の作詞家さんに発注するとしたら、月曜までがギリギリだったんです。歌詞を書くのは苦手で、毎回すごく大変。家だとやらなくなってしまうから、カフェに入ってノートを広げたものの、3時間かけて3行しか書けなかった絶望感は本当に忘れられません。だから、「もう二度とやりたくない」と毎回思うんですけど(笑)。
――でも、いつも結局は良い詞が書けて。
堀江 今ここに歌詞があるのが、不思議で仕方ないです(笑)。どうやって作ったんだろう? ずっと「うーん……」となっていて、気がついたら出来ていた感じです(笑)。
NGにしていた言葉を自分で使って(笑)
――この歌詞には<甘いケーキもガマンなんてしたくない>とか、ストレートなフレーズが多いですね。
堀江 “今日は1日ダラけて、明日から頑張ろう”みたいな雰囲気にしたいとは思っていました。私は他の方に歌詞を書いていただくとき、「こうしてください」というより「これを入れないでください」ということが多くて。『文学少女』シリーズで入れたくない単語もあったんですけど、自分が書いた曲には入れてました(笑)。
――どういう単語を入れたくないと?
堀江 女子高生だからといって、“ケーキ”とか“ミルクティー”とか“キラキラ”とか、そういう単語をあまり入れたくなかったんです。私が『Wake Up』でいっぱい入れたから、NGと言われていた人は「エッ?」となると思いますけど(笑)、「学生さんだからこう」と、やたらかわいい言葉を入れるのは違う感じがしました。
――『Wake Up』の<少しぶかぶかのTシャツと身軽な素足で>くらいがいい感じですか?
堀江 そこは最初<よれよれのTシャツとボサボサの髪で>でした。さすがにそれは歌詞としてどうかということで、変えました(笑)。
休日は家から出なければ勝ちです(笑)
――この曲では堀江さん自身が反映されているんですか? オフモードでは<めいっぱいダラけたいんだ>とか。
堀江 本当にそうですね(笑)。私自身、毎日バリバリやりたいタイプではまったくなくて、休んでいいなら際限なく休める人間なので。休みの日は家から出なければ勝ち、みたいな(笑)。
――休日に家から出たら負けですか(笑)。
堀江 そうです(笑)。うっかり「これをやってなかった」と、休みなのにどこかに行ったら負け。そういうことは、仕事の合間に済ませておきたいです。
――家にいたら、なかなか起きなかったりも?
堀江 遅くまで寝ていたりもしますけど、お布団から起きないまま、スマホやテレビを見たり、本を読んだり、ダラダラしている時間が本当に好きです。
――普段が忙しいでしょうからね。
堀江 と思っていたんですけど、そういうことではなかったと、おととしの自粛期間に知りました。いろいろな想いを抱えていらっしゃった方が多い中で、私はあまり苦でなくて、いつまでもこの生活ができると思ったんです(笑)。
小さい出来事で「変わりたい」と思うことも
――『チャイム』には、自己肯定感の低い女の子が「変わりたい」と思い立つところが描かれています。
堀江 ここまで「自分のことがイヤだ」と言っている歌詞って、私の曲では記憶になくて。だから逆にいいかなと思って、歌わせていただきました。
――これも堀江さん自身のいつかの心境と重なったりはしますか?
堀江 学生時代でも大人になってからでも、こういう気持ちになることは普通にあります。大きい出来事でも小さい出来事でも自分がイヤになってしまうのは、わりと誰でも共感できる気がします。
――小さい出来事だと、どんなときにそうなりました?
堀江 お菓子の袋を開けて、袋を捨てるつもりがお菓子を捨てちゃったときとか(笑)。たまにありません? あと、歯ブラシに歯磨き粉を乗せたら、うっかりひっくり返して、全部落ちてしまったり。しかも、残り少ない歯磨き粉をチューブから必死で出したのに、「もう1回やるの?」となって(笑)。
――そういうときに「変わりたい」と思うわけですか(笑)?
堀江 「落ち着いてやればいいのに、何で私は……」みたいな。本当に小さいことですけど、月に2回くらいやるときもあるので、変わりたくなりますね(笑)。
周りが見えてないのが学生っぽくて
――ヨシダタクミさんからは、『月とカエル』の他に、『25:00』と『ラブアテンション』の2曲も提供されました。『天たま』では「こんな感じか、またはこんな感じで……とお願いしたら、両方書いてくれて」とのことでしたが、どんな感じがいいとリクエストしたんですか?
堀江 ヨシダさんにもう1曲作っていただけることになったのが、アルバム制作の後半で、暗めのトーンでテンポのいい、マイナーアップの曲がまだなかったんです。あと、『Wake Up』のような女の子っぽい曲もないとお話ししたら、両方作ってくださって。「1曲だけ使ってもらってもいいです」と言っていただいたんですけど、『ラブアテンション』くらいテンション高めの曲も今回のアルバムになかったので、2曲とも使わせてもらうことになりました。
――『ラブアテンション』は初々しくて王道ラブコメ感がありますね。
堀江 最初にメロディだけ聴いたときは、ちょっと強めに聞こえたんですけど、歌詞が入った途端、ものすごくかわいくなって。素晴らしいなと思いました。
――逆に、『25:00』はドロドロした雰囲気もあって。
堀江 歌詞が激しめなイメージがありました。相手のことしか見えてない感じの女の子ですよね。
――女子高生っぽい単語はNGとのことでしたが、この曲の<汚れたのは世界じゃない>みたいなのはOKで?
堀江 それはこの子が言っていることで、大人が思うほど何かがあったわけではないかもしれないし。周りが見えてないところは、すごく学生っぽい感じがしました。
――確かに。
堀江 だから、ヨシダさんの曲の学生さん度合いみたいなものは、自分の思うものと一致している気がしました。
助手席から流れる風景がすごく浮かびました
――アルバムの最後の曲で清竜人さん提供の『瑠璃色の傘を差して』は、シングル曲以外では最初に出来上がっていたわけですね。
堀江 そうです。清さんにはいつもお世話になっていて、今回のアルバムでもぜひとお願いしたら、ものすごい早さで作っていただけました。
――ピアノ1本で歌うバラードで、レコーディングでは緊張感もありました?
堀江 はい。キャラソン以外では久しぶりのレコーディングだったから、「これがアルバムの1曲目か……」と思いました。もう少し慣れてからバラードを歌いたかった気持ちが、ちょっとあります(笑)。
――<助手席から眺める夜景>という言葉があって、運転席には年上の人がいた感じがしますが、お別れから歩き出す歌でアルバムの最後に合ってますね。
堀江 これが最後の曲になる気はしましたけど、「お別れから」という理由ではなくて。ただ、流れる風景の画はすごく浮かんで、曲の雰囲気から最後にあったら素敵な感じがしたんです。そこまでの曲の物語を、俯瞰で見守って終わるようなイメージがありました。
役に求められるものには近づきたいです
――それにしても、歌声はもちろん、ジャケット写真などのビジュアルでも文学少女を体現しているのがすごいですね。日ごろからケアはしているんですか?
堀江 ケアは全然追い付いてません。17歳に見える美容法があるなら、教えてほしいです(笑)。でも、自分の好きな写真の感じが、まさにこれだったので。この感じをどうしても出したかったから、写っている人が私でなくても良かったんです。でも、私の写真を見たいといってくださる方もいるから、自分が写っただけなんです。
――声のほうはプロの声優さんとして、日ごろから気を使っているんですか?
堀江 それも実はあまりしていなくて。歌でも昔より、ちょっとハスキーっぽく聞こえる部分はあると思います。
――少女役を演じるときには、それこそ培った技術があるんでしょうか?
堀江 やっぱり「しんどいな。疲れるな」と思うことはあります。昔から結構疲れるタイプで、実はあまり変わってないんですけど(笑)。こちらができるかどうかでなく、役に求められるものがある以上、そこに近づいていくことはしたいと思っています。
腕やせ体操ではライブの体力が付きません(笑)
――2019年12月以来のツアーも始まります。
堀江 前回からバンドさんが入ってくださって、生っぽいライブの楽しさがすごくありました。ツアーも『文学少女倶楽部Ⅱ』なので、前回と同じフォーマットでやりたいと考えています。
――体力作りもしているんですか?
堀江 しなくちゃいけないと思ってますけど、果たして今から何をすればいいのか(笑)。
――普段からジムに通ったりは?
堀江 そういうことは本当にやっていなくて。たまに気が向いたら、インスタを見て腕やせ体操をするくらいで、それだとライブの体力は付かないですね。今ちょっとずつリハが始まったところで、なかなかハードです(笑)。ここから何とか形にしないと。
――毎回、結果的には見事なステージになっていました。
堀江 どうなんですかね? 毎回何とか乗り切るってどうなの? という話ですよね(笑)。1月くらいから走り込みとかしておけば良かったんですけど、気がついたら3月。今からやって、単に疲れてしまうだけなら、やらないほうがいいのかな(笑)。リハの中で頑張ります。
お客さんに笑顔で楽しんでもらうことを第一に
――angelaのKATSUさんが堀江さんのライブについて、「笑顔になっている自分に気づく。周りの人もみんな笑ってる」と発言されてました。
堀江 どうしたらお客さんに楽しいと感じてもらえるかは、しっかり考えるようにしています。歌やダンスのこと以上に。昔いろいろなライブを観に行っていたとき、周りの人たちがノリノリで、つられて一緒に踊ったとか、自分が何かしたことで楽しさが全然変わったんです。お客さんからしたら、そんな部分が一番大事だと思います。その日イヤなことがあったとしても、できるだけ1人1人から、そういうものを取り除けたらと。お客さんが参加してくれて、笑ってもらえるライブにしたいです。
――今後も音楽活動は、やるとなったら楽しく、というスタンスですか?
堀江 先のことはわかりません(笑)。でも、声のお仕事のひとつとして、「やりましょう」と言われたら、よほどのことがない限りはやろうと思っています。
Profile
堀江由衣(ほりえ・ゆい)
9月20日生まれ、東京都出身。
1997年に声優デビュー。主な出演作は『ラブひな』(成瀬川なる役)、『フルーツバスケット(2001年版)』(本田透役)、<物語>シリーズ(羽川翼役)、『魔法つかいプリキュア!』(キュアマジカル/十六夜リコ役)など。2000年にアルバム『水たまりに映るセカイ』でアーティストデビュー。これまでにシングル19枚、アルバム10枚をリリース。
『文学少女の歌集Ⅱ‐月とカエルと文学少女‐』
3月23日発売
『堀江由衣LIVE TOUR 2022 文学少女倶楽部Ⅱ~放課後リピート~』
4月29日/愛知県芸術劇場大ホール
4月30日/大阪国際会議場(グランキューブ大阪) メインホール
5月7日・8日/立川ステージガーデン
*写真はキングレコード提供