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<ガンバ大阪>長沢が決勝弾。今季ホーム戦初の連勝を飾る。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

ホームでのサガン鳥栖戦。試合が動いたのは後半、大森晃太郎が投入されてから。PKで先制点こそ与えたものの、61分に枚数をかけた攻撃から相手のオウンゴールを誘い、試合を振り出しに戻す。その後、前がかりに試合を進めたガンバは4分と表示されたアディショナルタイム、MF大森の絶妙なクロスボールにFW長沢駿がヘディングであわせ逆転に成功。途中出場の二人がゴールに絡み、苦しい試合をもぎ取った。試合後のガンバ大阪監督、選手のコメントをお届けする。

●長谷川健太監督

鳥栖にリベンジできてよかったです。先制されたあと難しい展開でしたが、大森が入って非常に流れを引き寄せてくれた。最後、動きづらい状況の中で、長沢が気持ちのこもったゴールをきめて非常にいい勝ち方ができた。サポーターの皆さんと喜びをわかちあえたのは、選手が最後の最後まで戦ってくれた結果。ここ最近、鳥栖は鹿島も倒していますし、試合内容としても強いサッカーをしていましたが、その鳥栖に気持ちを出して最後の勝負に拘って戦ってくれたことがこういう結果につながったと思っています。ただセカンドステージは、まだまだここから。さらにパワーアップし続けていかないとなかなか上位チームに追いつけないと思いますので、引き続き、次の試合に向けて準備をしていきたい。

ー広島戦のあとに連勝できれば8月は波に乗れるとおっしゃっていました。ホームでの初の連勝ですが、この連勝をどういう風に受け止めていますか。勝ちましたが、試合の内容はどう評価されますか?

勝ちましたけど、すぐまた次がくるなという思いでいます。勝った瞬間は非常に嬉しかったですが、いまは次の試合に向けて準備しないといけないと思っています。内容的には、鳥栖がハードワークしてくるチームなので、前半なかなかビルドアップができなかった。特にボールをとったあとのミスが非常に多かった。呉屋を先発で起用したところでなかなかコンビネーションがあわなかったところも多少あったと思います。ただ、そういう中で、前半の中盤過ぎ以降はだいぶ押し込む形は作れてきていたので、後半引き続きやろう、と。押し込んでからのクオリティの部分で、シュートも少なかったので、ゴールを目指していこうと話をして試合に入った。呉屋もよくやってくれたとは思いますが、大森がはいって、ボールが動く展開になった。また倉田がトップ下に入ってから中盤で、非常にいいコンビネーションを作れた。鳥栖も途中でシステムを4−4−2に代えて対応しなければいけない状況を自分たちで作れたのはよかった。最後のシーンは、これまで大森のクロスの精度は課題でしたが、非常に素晴らしいボールを入れてくれて、また、長沢がいいタイミングではいってくれた。勝ち方は非常に素晴らしい、いい勝ち方ができたので、引き続き内容もあげて、勝負に拘りながら次の試合に準備したい。

ー長沢選手を投入した理由とゴールについての評価を聞かせてください。

理由は調子があがってきていたというところでパトリックではなく長沢を使いました。ゴールに関しては、前節、半分で交代させられた悔しさもあったと思いますし、短い時間でしたがゴールへの執着心というか、結果というところに拘ってプレーしてくれて値千金のゴールを決めてくれた。

ー今日、遠藤選手をボランチで使って、前で倉田を使った意図は?

鳥栖というチームを考えたときに、遠藤のビルドアップ能力を最大限に引き出さないとなかなかチャンスが作れないのかなと思い、遠藤をボランチに使いました。倉田は最初サイドにつかいましたが、途中から真ん中に据えたのは…相手がアンカーシステムを敷いている中で、彼の運動量というのが効くんじゃないか、というところで、今日はそのままトップ下にスライドしました。実際、鳥栖もなかなか掴みづらい状況になったんじゃないかと思っています。

●FW長沢駿

チームが勝ったことが一番嬉しい。出してもらった限りは、結果を出さなくちゃいけないと思っていたので、決めることができて良かったです。相手の前で触る方が個人的には得意ですし、一度クロスあがってファーに抜けちゃったシーンがあったので、ファーにいたほうがいいのかなとも思ったんですけど、それよりも得意な形というか、自分を信じて、自分が一番得意なポイントにはいっていこうと思って、あのシーンになりました。晃太郎とうまくタイミングがあったので、良かったです。松本時代にも全く同じような感じで1−1のゲームのときに、アディショナルタイムにゴールを取れた記憶があるんですけど、嬉しかったですね。最近なかなかFWがゴールを獲れていなかったこともあり、僕を含め、パトやアデ、呉屋も全員が、獲らなければ、という気持ちでいたはず。FW陣が点を獲れば勢いもあがってくると思うし、もっとこれからガンバが強くなるためにも前が点を獲らなければいけないなと思います。(膠着した前半があり、大森選手が投入されてから攻撃が動き始めました。ご自身はその展開を踏まえ、どういう変化を与えようと思ってプレーしていましたか?)時間帯に応じてというか、時間があるときはもっと前で起点になったりとか、裏に走るということもやらなくちゃと思っていたけど、時間がなくなってくるにつれ、やっぱり真ん中で勝負するというか、自分がやるプレーは変えていこうと思っていました。ガンバは周りが巧い選手ばかりで、僕のそういう状況も把握しながらボールを動かしてくれたのですごくやりやすかったです。あとはもっとリードして、というか自分が引っ張っていけるように、自分でゴールをこじあけるような感じにもっていきたいです。

●DF金正也

(前半焦れずに守っていましたね)リスク管理という部分でしっかりやろうと思っていたし、何回か危ないシーンでカウンターもくらいましたけど、プレースバックしてくれたり、1本目のパスに強くいったりというのができていたのでそこまで危ないシーンを作られることはなかった。古巣からの勝利ですが、それよりも、チームが勝ち点3をとれたのは一番、次に繋がるかなと思っています。(豊田選手への対応について)前半は全部負けていて、後半は全部勝っていたと思います。前半の経験から、普通にいったらやられるなと思ったので後半は少し変えてやったり…まあでも巧かったですね。(変えたというのは?)身体をぶつけてから競るとか、それをしたあとに普通に競ったらまた相手にも勝てていたり…そういう駆け引きのところが巧くできたと思います。(コンスタントに試合に出ている中で、試合の中で自分をそうやって変化させられるというのは手応えでは?)ヘディングに関してはいろんなチームで積み上げてきた経験が活きている気がするけど、ビルドアップのところとかでもう少し変化させられるように、試合の中で修正できるようにしなければいけないかなというのは思います。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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