日中の最高気温が連日36度～37度と体温と同程度まで上昇している京都で、京都地方気象台（外部リンク）は2024年7月26日頃まで連続の猛暑日となることを予測しています。さらに、2024年7月21日5時発表で環境省から京都を含む近畿全体に熱中症警戒アラートが発令されていることを伝え、厳重な警戒を呼びかけています。

　さて、現在、吉高由里子さん主演のNHK大河ドラマ「光る君へ」でも話題になっている平安時代の人々はどのようにして涼を取っていたのでしょうか？　冷蔵庫もクーラーもなかった時代、奈良時代初期の頃から、上流貴族たちは専用の氷室（ひむろ）を持ち、約3ｍほどもある穴を掘り、冬の氷に草をかぶせて保存していたことなどが、長屋王邸宅跡で発見された木簡で明らかになっています。

　清少納言の「枕草子」（第40段）では、「あてなるもの（上品なもの）」との一つに「けずり氷に甘あま葛づら入れてあたらしき鋺に入れたる」と記述されています。また紫式部の「源氏物語」の中でも、「大御酒まゐり、ひみず氷水召して水飯などとりどりにさうどきつつ食ふ」などの描写があり、平安貴族の夏の贅沢で雅な楽しみであったことがうかがえます。

　そんな「平安スイーツ」の「けずり氷（ひ）」の現代版を再現し、販売するというユニークなイベントが2024年7月20日から27日まで嵐電嵐山駅にある「嵐山駅はんなり・ほっこりスクエア」の3階イベントスペースで行われています。訪ねてみると隣接して「めぐり逢ひて紫式部展」が京福電気鉄道株式会社の主催で行われていました。

　「嵐山で楽しむ平安の味覚―『けずり氷』再現！かき氷フェス」と題されたイベントを企画したのは、共同でSDGs活動を進める、図書サークル、美術部、パソコン部、家庭科同好会に所属する京都先端科学大学附属中学校高等学校（外部リンク）の高校生30名と京都先端科学大学人文学部心理学科に所属する探究グループ「うずまさとんがりグループ」 の生徒や学生たち。

　メニューは、平安時代に食された「けずり氷」再現かき氷 、環境に配慮した地元産規格外野菜を活用した「ベジ氷」聖護院大根 、規格外野菜を活用した「ベジ氷」金時人参の3種類。実際に食べてみると、氷は一般的なバリバリの大き目の氷と雪のような氷のちょうど中間ぐらいのほど良い食感で、ベースのシロップも野菜シロップも自然な甘みが美味しいかき氷に仕上がっていました。　

　代表して、同校3年の池田大剛さん、2年の中川颯太さん、嶋悠玄さん、大学4年の倉橋明花さんに話を伺いました。同グループでは、「SDGs飯めしプロジェクト」を進め、子ども食堂やレシピコンテストの運営など、さまざまなSDGsと地域活動を行ってきたといいます。

　今回のイベントで配布されている「嵐電に乗って歩いて知図さんぽ」は、実際に嵐電に乗って生徒らが訪ね歩き作成しました。地域に根づく愛宕信仰や大堰川で行われている水力発電のことなど観光ガイドに載らない魅力が掲載されています。そういった中で、「車折神社に清少納言社があることなども知り、今回の企画を思いついた」のだそう。　

　京福電気鉄道株式会社や株式会社しんやさいなどSDGsに取り組む企業などと産学連携の取り組みとして今回の企画が実現しました。嵐電嵐山駅に来られた際は、ぜひ3Fまで足を延ばしてみてください！

嵐山駅はんなり・ほっこりスクエア（外部リンク）京都市右京区嵯峨天龍寺造路町２０　075-882-5110 （問い合わせ先）