ガンバ大阪のMF倉田秋がホームで復帰弾!!
ガンバ大阪のMF倉田秋がケガによる約3ヶ月半の離脱を経て、戦列復帰を果たしたのは36節、アウェイで行われた栃木戦。以来、天皇杯を含めて先発出場を続けてきた彼は、ずっと、ある瞬間を待ち望んでいた。
「自らのゴールで勝利を引き寄せたい。」
コンディション的には試合を重ねるごとに確実に高まっているものの、3ヶ月半もの離脱が響いているのだろう。本来の動きから考えると決して完全復帰とは言い難いことは彼自身も自覚している。だが、先発を預かる限りは、それは言い訳にしか過ぎないということを自らのプレッシャーにしながら、ずっとその『瞬間』を求め続けてきた。
そんな中、復帰戦から公式戦3試合目の先発出場となった37節、カターレ富山戦。復帰後、初めて立った『ホーム』万博記念競技場の地で、29分、MF倉田はチームを勢いづける先制点を叩き込む。その瞬間、彼のゴールを待ち望んでいたファンも大きな歓声とともにスタンドで揺れた。
「監督も悪いなりに僕を信じて使い続けていてくれたので、それに応えたいと思っていた。ここ数試合を見返しても、身体は動くけどボールに激しくいけなかったり、自分の特徴である“ドリブル”で仕掛けられずにイライラしていたところもあって。自分ではハードワークしているつもりでも、DVDで見返すと、全然思ったようなパフォーマンスをできていないことも多かったですからね。監督や周りの選手もきっとそれを感じていたとは思いますが、だからといって、何かを強く求められたり、怒られたりすることはなくて…だからこそ逆にそういう周りの気持ちを僕自身が察して、とにかく自分に『しっかりやれよ』とプレッシャーをかけ続けてきました。なのでゴールを獲れたのは良かったです。でも…やっぱり今日は勝てたことが一番です。リーグ戦ではここ3試合白星から遠ざかっていただけに、とにかくチームとして結果が出せてよかった。もちろん、ゴールを獲れたことで自分自身もちょっとはすっきりしたので、ここからの残り試合を気持ちよく戦えると思います。」
その言葉にもあるように「ちょっとはすっきりした」とはいえ、本来の自分と比べると全く納得していないからだろう。今季8得点目、実に17試合ぶりのゴールにも、試合後の表情はどこか険しく、笑顔もみられなかった。実際、そんな彼に、富山戦でのパフォーマンスに自らに点数をつけてもらうと「50点」という返事。険しい表情の理由は、その数字にあるようだ。
「今日も攻守両面でもっと激しくいくべきところでいけていなかったり、何より自分から仕掛けていく場面もまだまだ少なかった。そもそも、前半から相手が下がって守備をしていたので仕掛ける場面もそんなになかったとも言えますけど、それが出てくるようになったら本調子に戻ると思うのですが…。また、前線からの守備も物足りないですね。もっと僕のところで潰してボールを奪えればピンチは減るし、チャンスは増えると思うのに、意識はしていてもなかなか流れの中でやり切れていないので。ただ、これはもう練習を重ねて、試合を重ねていくしかないですから。残り5試合しかないけど、自分にハッパをかけて、とにかくチームのためにしっかり戦いたいと思います。」
とはいえ、繰り返しになるが、試合を重ねるごとに明らかにパフォーマンスは向上している。富山戦でみれば、ともに前線を構成したMF遠藤保仁やMF宇佐美貴史、MF大森晃太郎らとのコンビネーションも決して悪くはなく、先に書いたゴールシーンも含めて、攻撃に絡む回数も増えている。もちろん、圧倒的な存在感を示し続けてきた今季の前半戦に比べれば、物足りなさはある。だが、もはやガンバ大阪の攻撃に、彼が必要不可欠なのも事実だろう。
だからこそーー。
彼が苦しみながら待ち望み、そして、つかみ取った『ゴール』が、残り試合を戦う上で、彼をより輝かせ、G大阪の攻撃力をより加速させると信じている。