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世界が坂本龍一氏を追悼。デビッド・ボウイの息子も

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
(写真:REX/アフロ)

 坂本龍一氏の死を、世界中が悲しんでいる。アメリカでは「New York Times」が大きな追悼記事を書いたほか、「Variety」、「Hollywood Reporter」、「Deadline」などハリウッド業界メディアも一斉にニュースを掲載。「Entertainment Weekly」、「Rolling Stone」、公共放送NPR、イギリスの「The Guardian」、「The Independent」などもこのニュースを取り上げた。

 ソーシャルメディアには、彼の功績を讃えるメッセージが多数寄せられている。歴史的に重要な映画の修復や配給などを行うザ・クライテリオン・コレクションは、「伝説的で、愛されたミュージシャン、作曲家、俳優、ライターの坂本龍一、おやすみなさい」とハートマークをつけて愛を贈った。また、英国アカデミー(BAFTA)は「BAFTA受賞者の坂本龍一氏が亡くなったと聞き、悲しんでいます。彼は『レヴェナント:蘇えりし者』『ラストエンペラー』『戦場のメリークリスマス』などの映画の曲を書きました。ご家族のご心中をお察しします」と追悼。坂本氏は「戦場のメリークリスマス」で英国アカデミー賞の作曲部門を受賞、「ラストエンペラー」と「レヴェナント〜」でも候補入りしている。Appleミュージック・クラシカルも「芸術は長い、人生は短い」という言葉とともに追悼を送った。

 坂本氏を直接知る人たちからのメッセージも多数。フランスのミュージシャンでシンセサイザー奏者のジャン=ミシェル・ジャールは、並んで撮影した写真とともに、「親愛なるリューイチ、RIP。あなたの芸術は永遠に残ります」とツイート。オーストラリアの作曲家ローレンス・イングリッシュも、やはり写真と一緒に、坂本氏の温かさと寛大さに感謝するメッセージを寄せた。イギリス人のDJでジャーナリストのメアリー・アン・ホッブスは「あなたは最も重要な教訓をくれました。すべての間違いは贈り物だということ」とツイートしている。

 坂本氏と「戦場のメリークリスマス」で共演したデビッド・ボウイの息子で映画監督のダンカン・ジョーンズは、「このすばらしいアーティストのご家族、友人のみなさんに愛を送ります」とツイート。また、デビッド・ボウイ・オフィシャルのアカウントからも、ボウイとのツーショット、「戦場のメリークリスマス」のポスターの写真を添えてメッセージが送られている。

「レヴェナント〜」で一緒に作曲を手がけたアルヴァ・ノトことカールステン・ニコライは、「人生のこちら側で一緒にいられなくなったことを恋しく思います」、同作品で少しだけ坂本氏とかかわったというミュージシャン、アントニオ・サンチェスも、その経験は「とても光栄だった」とメッセージを送った。「シェルタリング・スカイ」で坂本氏と仕事をしたイギリスの作曲家ジョン・アルトマンもまた、当時の写真を添えて追悼している。

 ご冥福をお祈りします。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「シュプール」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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