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6月末時点の日本国債の保有者。今後の保有者の変化にも注目したい

久保田博幸金融アナリスト
日銀の資金循環統計を基に著者作成

 日銀は9月19日に2024年第2四半期の資金循環統計(速報)を発表した。

資金循環統計(速報)(2024年第2四半期)

https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sj.htm

 6月末の個人の金融資産額は、2211兆6511億円となり6四半期連続で過去最高を更新した。個人の金融資産の内訳は現金・預金が前年比で0.8%増の約1127兆円。株式等は同15.6%増の約301兆円、投資信託は同27.1%増の約128兆円となっていた。

 これを基にして国債(短期を除く)の保有者別の内訳を算出してみた。2024年6月末時点の国債残高は1061兆5159億円となっていた(この統計では時価総額となっている)。保有者別の内訳は下記の通りとなる。

中央銀行(日銀)、564兆8033億円、53.2%

保険・年金基金、220兆1592億円、20.7%

預金取扱機関(銀行)、97兆4378億円、9.2%

海外、64兆8736億円、6.1%

公的年金、62兆2743億円、5.9%

家計、13兆8928億円、1.3%

その他、38兆0749億円、3.6%

 日銀の国債保有比率は53.2%と前回と変わらず。前期比での保有額そのものは約11.4兆円減となっていた。保険・年金基金が9.1兆円減、海外が5.3兆円減、預金取扱機関が約3.1兆円減となっていた。

 短期債を含めた国債全体の数字でみると6月末の残高は約1211兆円。このうち日銀が約568兆円で46.9%のシェアに。海外勢の残高は約154兆円と短期債を含めると国債全体の12.7%のシェアとなっていた。

 ちなみに日銀は7月31日の金融政策決定会合にて、長期国債買入れの減額について月間の長期国債の買入れ予定額を原則として毎四半期4000億円程度ずつ減額し、2026年1~3月に3兆円程度とする計画を決定した。8月1日以降に減額がスタートしており、今後、国債保有者の保有率がどのように変化してくるのかにも注目したい。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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