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フェニックスリーグ練習試合 山本-小豆畑の同級生バッテリーが5回につかまる

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
上々に立ち上がりだった山本投手。3度の先発で収穫も多かったフェニックスリーグ。
中日のファーム投手コーチに就任した大塚晶文さん(右)。佐伯監督と。
中日のファーム投手コーチに就任した大塚晶文さん(右)。佐伯監督と。

きのう24日はフェニックスリーグ自体の試合はない、いわゆる練習日。阪神は久峰野球場で中日と練習試合を行っています。久しぶりにウエスタンのチームと会っ何だか少しホッとしたような(笑)。そうそう、中日には新しく大塚晶文さんがファーム投手コーチに就任され、きのう何年振りかで会ったのですが変わらない笑顔でした。近鉄に入団した時から、よく取材やお話をさせていただいていたので、これからまた現場でお目にかかれるのは嬉しいですね。

試合は山本投手と鈴木翔投手の先発で始まり、1回に先制。しかし2回に古本選手のホームランで追いつかれ、回に勝ち越したと思ったら5回に打者一巡攻撃を浴びて6失点。終盤に1点ずつ返しましたが追いつかず、7対4での敗戦です。

《フェニックスリーグ》10月24日

― 練習試合 ―

阪神-中日 (久峰)

中日 010 060 000 = 7

阪神 101 000 110 = 4 ※特別ルール  

◆バッテリー

【阪神】山本-玉置-小嶋-二神 / 小豆畑

【中日】鈴木翔(7回)-西川(1回)-田島(1回) / 松井雅

◆本塁打 古本ソロ(山本)

◆三塁打 柴田、清水、小豆畑

◆二塁打 陽川2、福田、 

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)

1]右中:中谷 ( 5-1-0 / 1-0 / 0 / 0 )

2]中右:柴田 ( 4-1-0 / 2-1 / 0 / 0 )

3]二遊:陽川 ( 5-2-0 / 1-0 / 0 / 1 )

4]三:北條  ( 4-2-2 / 1-1 / 0 / 0 )

5]指:清水  ( 4-1-1 / 1-1 / 0 / 0 )

6]遊二:西田 ( 4-0-0 / 1-1 / 0 / 0 )

7]一:一二三 ( 4-1-0 / 0-0 / 0 / 0 )

8]捕:小豆畑 ( 4-2-1 / 0-0 / 0 / 0 )

9]左:田上  ( 3-1-0 / 1-1 / 0 / 0 )

◆投手 (安-振-球/失-自) 最速キロ

山本 5回 84球 ( 7-4-1 / 7-4 ) 141

玉置 2回 19球 ( 0-2-0 / 0-0 ) 144

小嶋 1回 16球 ( 0-2-0 / 0-0 ) 145

二神 1回 13球 ( 0-2-0 / 0-0 ) 143

5回に大量失点して敗戦

1回、柴田選手の三塁打のあと先制タイムリーを放った“4番”北條選手。
1回、柴田選手の三塁打のあと先制タイムリーを放った“4番”北條選手。

まず1回、1死から柴田が右中間への三塁打を放ち、陽川は三ゴロで動けず2死となりますが、4番・北條の左前タイムリーで先制!しかし1回は三者凡退で立ち上がった山本が3回、簡単に2死を取ってから古本に初球のカーブをライトへ。同点ホームランを浴びました。山本は3回を三者凡退。その裏に陽川が二塁打(セカンド、センター、ライトの間に落ちる)を放ち、2死後に清水の左中間越え三塁打で生還。2対1と勝ち越します。

4回は先頭の杉山に右前打されながら、高橋周を投ゴロ併殺打に切って取るなど3人で片づけた山本でしたが、5回の先頭・松井佑に四球を与えたところから打者一巡。松井佑に盗塁を許し、古本は振り逃げ(三振と捕逸)で無死一、三塁。赤坂の左犠飛で再び同点とされ、松井雅の中前打で古本が一塁から一気に生還!送球の間に松井雅は二塁へ。続く橋爪の右前打で1死一、三塁として1番・溝脇がセーフティースクイズ!タイムリー内野安打となりました。

これで3点が入って、なおも1死一、二塁。杉山は三ゴロで併殺打…と思ったらセカンド陽川の送球が大きく逸れて二塁から橋爪を還します。杉山の盗塁で2死二塁とし、高橋周が左前タイムリー。次の4番・福田の左越えタイムリー二塁打!打者10人に5安打されて、この回6失点(自責3)。6回からは玉置が登板。6回は古本を空振り三振、7回は橋爪を真っすぐで見逃し三振に仕留めるなど2イニングをパーフェクトに抑えています。

7回の裏、田上が12球粘って四球、中谷の中前打、柴田の四球で1死満塁となって、陽川は空振り三振に倒れたものの北條がストレートの四球。押し出しで1点を還しました。8回は小嶋が高橋周と松井佑から三振を奪って三者凡退!その裏、中日2人目の西川から先頭の西田が四球を選び、1死後に小豆畑の右中間タイムリー三塁打で生還!

9回は二神が古本と松井雅を真っすぐで見逃し三振を奪い、やはり三者凡退!最後の攻撃は1死から陽川が左中間二塁打、北條は見逃し三振(田島のスライダー、抜群のキレでした)で見逃し三振。清水が四球で出ますが最後は西田が真っすぐで空振り三振。試合終了です。

山本、収穫も多かった先発

4回までは2安打1失点、4奪三振だった山本投手。
4回までは2安打1失点、4奪三振だった山本投手。

フェニックスリーグ3度目の先発だった山本投手は「この前(17日の楽天戦)とは調子も違っていて、なかなか自分でもリズムに乗れなくて。だから1イニング1イニング大事にと、中継ぎのように1人1人、1球1球という気持ちでいったんですけど…。5回までと言われていて最後が見えた時に四球とか、そのままズルズルといってしまいました」と猛省の様子でした。

「ホームランはカーブです。ストライクを取りにいって、いいところにいってしまって。振り逃げもカーブ。跳ねなかったと小豆畑が。調子が良くない中、ランナーがたまって。途中で持ち直せたのに、もったいなかった」。悔やむことは多々あるようです。おそらくこれがフェニックスでは最後の登板でしょう。3試合に先発をして「すごく勉強になりましたね。今後に生かしていきたい」と話しています。

反省一色の小豆畑

別の日の試合後も、吉田バッテリーコーチと送球練習をする泥だらけの小豆畑選手。
別の日の試合後も、吉田バッテリーコーチと送球練習をする泥だらけの小豆畑選手。

小豆畑選手は、振り逃げに関して「ミットが上がってしまって、その下を抜けてしまいました。パスボールです。山本の自責を減らしておいてください。山本は楽天戦の方がよかったですけど、いい時ばかりは続かないので、悪い時にまとめていかないといけないのに僕が崩してしまった」と反省しきりです。タイムリー三塁打は「打ったら当たりました。追い込まれたら右方向を意識して、いい感じで打てたんですけど、あんなプレーしてたら…ダメですね」と、最後まで反省。

平田監督も「きょうはキャッチャーやろ。5回の最初の四球はよくないけど、あれ(振り逃げの捕逸)は前で止めなきゃ。キャッチャーのミスに山本も乗ってしまった」と守りの要である小豆畑選手の名前を挙げています。続けて好投した中継ぎ投手陣に「これくらいできて当たり前。玉置だったらストレート、小嶋だとスライダー、二神も真っすぐと課題を設けてしっかり投げているからね」と絶賛でした。

そのリリーフ陣で、ことしの公式戦でもなかった2イニングを投げた玉置投手。「むしろ2イニング目の方が大胆に投げられます。2イニング目は真っすぐのみでした。何イニングでもいけるってとこを見せつけたいです」。玉置投手らしいコメントですね。

安定感抜群の玉置投手。この日は久々の2イニングも、パーフェクトです!
安定感抜群の玉置投手。この日は久々の2イニングも、パーフェクトです!

二神投手は、8回の小嶋投手と同じ、2三振で三者凡退。短いイニングで集中していける?「それはありますね。思いきって腕を降るっていうのはあります」。先発のように球種を多く使えないとかは?「それはないですね。もともと少ないんで(笑)。でもスライダーもフォークも投げていますよ」

サード北條、セカンド陽川

サードの守備にも挑戦中。この日はファウルフライをナイスキャッチ!
サードの守備にも挑戦中。この日はファウルフライをナイスキャッチ!

私がいったん帰ったあとの試合から4番になった北條選手。これが3試合目です。先制タイムリーと、押し出し四球。4番の仕事していますねえと言ったら「1打席目はうまく打てました。真っすぐを狙っていて真っすぐが来たから」という答え。そしてサードの守備については「始めたばかりで今のところエラーしてないですけど、いずれはエラーすると思います。今はただ怖さを知らないだけ」と冷静なコメントでした。

陽川選手もセカンドの守備にちょっと苦戦中。「1年くらいやってはいたんですけど。ショートと全く逆ですからねえ。今はショートの方が動けているかも」と言いつつ、どちらもモノにするという意欲は変わりありません。また二塁打2本のバッティングも、自分自身では納得がいっていない模様。「壁に…」ぶち当たっているのかと思いきや、出てきた言葉は「壁に“踏まれている”感じです」。どんな感じなんだろう?悩みは深そうです。頑張って壁を破る、じゃないなあ。押しのけて倒して、破ってください!

陽川選手。早く“納得のいく”バッティングができますように。
陽川選手。早く“納得のいく”バッティングができますように。

きょう25日からフェニックスリーグは最終クールに入ります。きょうの阪神は生目の杜第二球場で日本ハムとの対戦。先発は島本投手です。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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