【赤穂市】滋味深くやさしい味が特徴。米粉に特化したスイーツ専門店「菓澄想(かすみそう)」オープン
米粉を使ったお菓子やパンって、どうしても”ぼそぼそ””パサパサ”になる印象ですが、こちらのケーキや焼き菓子は、とてもしっとりで、素材の旨みを際立させる一品なんです。昨年10月にオープンした、米粉のケーキと焼き菓子のお店「菓澄想(かすみそう)」を訪れました。
ナチュラルテイストのかわいらしいお店
「菓澄想」は、お城通りから一本東の筋のビルの一角にあるかわいらしいお店。中国銀行赤穂支店の真裏の道沿いといえばおわかりでしょうか。
アプローチ部分にはナチュラルテイストの石畳、木を基調とした引き戸もやさしい風合いです。
こぢんまりとした店内はこんな感じ。
外観の雰囲気そのままで、白い壁に、カウンターの前面は、オリーブグリーンのやさしい色合いです。
ショーケースや焼き菓子のディスプレイもかわいらしく、壁面に飾られた「かすみ草」もアクセントになっています。
グルテンフリーで厳選の素材を使用
お店で扱っているのは、7種類の生ケーキと10種類前後の焼き菓子。
小麦粉は一切使わず、すべて新潟産の米粉を使っているというのが最大の特徴です。
「まずは体に優しいものを作りたくて。米粉は小麦粉より他の素材の味が引き立つんです」と店主の睦谷仁美(むつたにひとみ)さん。
そのほかの材料も、じんわりやさしい甘みのきび砂糖や、風味や乳味が際立つ北海道産の生クリーム、衛生面でも安心で状態が安定している殺菌済の卵など、厳選して使っています。
人気の生ケーキはこちら
どれもおいしくておすすめですが、なかでも人気の商品を紹介します。
「モンブランタルト」です。
アーモンドをふんだんに使用したタルト生地が特徴です。
クッキー部分は米粉だけだとぼそぼそしてしまうので、小麦粉と変わらない食感になるように工夫しています。白い生クリームの部分には砂糖を使わず、マロンペーストに砂糖を入れたモンブランクリームにし、栗の味が引き立つようにしています。真夏以外は置く予定だそう。
「季節のショートケーキ(いちご)」です。
季節ごとに内容が変わるショートケーキです。
今はいちごですが、オープン当初の10月はマスカットなどぶどう系で、柿を使ったこともあったそう。
米粉だけだともっちり感が強くなりがちですが、こちらはふんわり感としっとり感がウリ。生クリームの砂糖は、必要最低限にし甘さ控えめです。
「シンプルチョコケーキ」です。
ココア生地のスポンジとチョコの生クリームの二層だてで、コーティングにチョコレートを使っています。
チョコチョコしすぎず、口当たりがやわらかくてあっさりとした食感です。
焼き菓子のおすすめを盛り合わせ
焼き菓子にももちろん、米粉を使っています。
10種類のなかからおすすめを紹介してもらいました。
まずは「赤穂の塩バターフィナンシェ」です。
こちらは赤穂の塩を使った塩味があるフィナンシェです。
「サブレプレーン」は米粉らしいサックリ感とホロホロ感があるくちどけのよいサブレ。サブレはほかにも、ココア、アーモンドがあります。
「フロランタン」は、タルト生地のクッキー部分とアーモンドの厚さにもこだわったアーモンド部分と二層になった焼き菓子。二層のバランスがちょうどいい逸品です。
「きなこくるみ」は、くるみをキャラメルコーティングしたものにきなこをまぶしたシンプルなお菓子。最低限の砂糖しか使ってないので、健康志向の方にも人気だとか。
「米粉シフォンケーキ」です。
米粉、こめ油を使用したしっとりふんわりのシフォンケーキ。別売りの生クリークを添えて食べてもそのままでもおいしい。冷蔵庫で少し冷やして食べるのもおすすめです。
「想いのこもったやさしいお菓子」の意を込めた店名
店名の「菓澄想(かすみそう)」は、文字通り「かすみ草」が好きだったことと漢字の一文字一文字に想いを込めて付けました。
「菓」=「お菓子」、「澄」=「澄んでいる、やさしい」、「想」=「思いやり、想いを込める」の意味で、それらを組み合わせて、当て字で「菓澄想」。印象に残りますよね。
店主の睦谷さんは、神戸の製菓専門学校で学び、その後、京都・大阪のパティスリーで約10年修業し、地元赤穂に帰って独立しました。
店を開くまで、どんな店にしたらいいかと悩んでいる時に、わかりやすい特徴があった方がいいと考えました。それは実家に出入りする甥っ子、姪っ子たちの食事について、親たちがいろいろ気を遣っているのを間近で見たことから。
アレルギーはもちろん、美容面、健康面を気にしている人が多いことに気づいたそう。
「修業したお店は、小麦粉を使ってましたから、オープンまでにめちゃ試作をしてめげそうになりました」と睦谷さん。でもアレルギーを持っている方から、「今までケーキやお菓子を買うのに苦労していたけど、この店ができてよかった」といわれたり、リピーターが多かったりすることが、励みになっているそう。
いざ実食タイム!
せっかくなので、おすすめ3点を買って帰って女子3人で食べてみました。
全体的な感想としては、「甘め控えめなのがいい」「断面もきれい」「ボリュームがあるのに罪悪感がない」「造りが凝っている」など。
どれも小麦粉は使ってないのに、しっとりふんわりしています。
個人的には、「モンブランタルト」が一番気に入りました。タルトのクッキー生地がとってもおいしかったのと、生クリームのふんわり感、マロンペーストの栗の素材感が感じられ、一粒で何度もおいしいのがよかったです。
「今後は、卵や乳製品も使わないアレルギー対応のケーキを作りたい。ネット販売もしたい」と話す睦谷さん。今後の動きも楽しみですね。
菓澄想(かすみそう)
住所:兵庫県赤穂市加里屋40‐6 赤穂プラザハイツ104
電話番号:050-8892-9090
営業時間:11:00~18:00
定休日:月・火曜、その他不定休もあり
駐車場:2台(アーバンハウス隣り・No32,33)
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