メイクアップ大変革期! 性別ではなく“個性”でメイクする時代へ
いま、アメリカの美容業界では“性別にとらわれないメイクアップ”がトレンドになっています。
先日、アメリカのニューヨークタイムズ・スタイル・マガジンに掲載されたコラム「Make up for Everyone(メイクアップはすべての人のもの)」では、「(アメリカでは)いまはメイクする男性がいても気にならないが、つい10年前まではメイクしている男性は“変人扱い”されていた」という記述がありましたが、この“性別にとらわれないメイクアップ”は、“ジェンダーフリー先進国”であるアメリカでさえ、ここ数年でようやく浸透してきたことがわかります。
そして、このようなトレンドとともに、性別という枠組みを超えて、“自分らしさ”を表現することも多くの共感を集めており、そうしたオピニオンリーダーを起用した化粧品のポスターも世界的に目立つようになりました。
メイクアップが、十人十色の個性を引き出す
日本では,
2015年ごろから“ジェンダーレス男子”など、従来のジェンダー規範にとらわれないトレンドがありましたが、最近はSNSでメイクアップを施している男性が増えたことで、若年層を中心に、メイクアップ感を強く打ち出さない、自然な仕上がりが主流に。気張りのない日常感のあるメイクアップを施す男性が増えています。
一方、欧米では、男性性と女性性のどちらも流動的に表れる“ジェンダーフルイド”といった個性も認知されはじめており、そう考えると、もはや性別とは身体的な違いを意味するだけで、それよりも本人の性自認や性的指向により、本人の”性属性”を表現する時代になりつつあるのかもしれません。
メイクアップが“自己肯定感”を育むきっかけに
メイクアップもそうした時代性を取り入れており、男性はよりイケメンに、女性はより美人に、という原則はあるものの、より複雑化していく性属性や個性に対して、単に“ジェンダーフリーで使える”ということだけでなく、多様性や包括性のあるメイクを提案するブランドが台頭しつつあります。
このような、さまざまなメイク提案は、自らの性自認や性的嗜好を、見た目でどう表現すればいいのか悩んでいる人々にとっては大きなヒントになります。
性表現の起点は、見た目の男性らしさ、女性らしさにありますが、その区別があいまいになりつつあるいま、その枠組みにあてはめず、自分らしいメイクや自分らしいと思える見た目に近づけられれば、それは自己肯定感を育むきっかけにもなるはずです。