Yahoo!ニュース

台風16号北上 日本列島へ接近か

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風16号の予想進路(18日午前3時)。ピンク色の矢印は上空の強風帯。

18日朝、台風16号がフィリピンの東で発生。8月に落ちていた発生のペースが、また少し上がってきています。台風16号は、来週にかけて日本列島へ接近する恐れがあります。

日本へ向かって急カーブ

台風16号は、まず北西へ進んで、フィリピンや台湾方面に近づいたあと、東へ急カーブする予測となっています。

今回は、列島へ「接近へ」とするか「接近か」とするか悩みました。今年の8号や11号は発生した時点で、列島に近づくことがある程度はっきりしていたのですが、それに比べると今回の16号は、いつ、どこまで近づくか、ややブレがあるからです。

■最新の台風予報:http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/typhoon/

ポイントはカーブ地点

なぜ台風のコースが定まりきらないのか。要因の一つが、カーブするタイミングです。

運動会のトラック競技で、コーナーをどう曲がるかでその後の結果が違ってくるように、台風もカーブをどう曲がるかで、その後のコースが変わります。

実は、このカーブの予測は、コンピューターもやや苦手としています。特に今回は台風を流す上空の強い西風が、カーブ地点よりかなり北の離れた所を流れているため、カーブ後の予測が固まりきっていないのです。

台風情報は早すぎますか?

台風が発生した時点から台風、台風と、そんな早くから騒ぐ必要はないという声を時々、聞きます。

個人的には、そうは思いません。

たしかに、無駄に騒がしかったり派手な情報は、影響の度合いを見誤るのでスルーしたほうが良いと思いますが、長年の多くの研究や技術改良の積み重ねによって、ここまで早く出るようになった台風情報を、活かさない手はありません。

予測に幅はあるものの、「来週、台風が日本に近づく恐れがある」までは分かっています。冷静に台風情報を毎日チェックして、少しずつ自分の地域への影響を見極めていただければと思います。

気象予報士による動画解説(Yahoo!天気・災害)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

増田雅昭の最近の記事