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比嘉一貴にマスターズ特別招待。ゴルフ界の「最高のフィールド」の一員として、オーガスタ・ナショナルへ

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:ロイター/アフロ)

 オーガスタ・ナショナルのフレッド・リドレー会長は1月5日(米国時間)に声明を出し、今年4月のマスターズに日本の比嘉一貴と米国のアマチュア、ゴードン・サージェントの2名に特別招待を授けることを正式に発表した。

 リドレー会長は声明の中で「マスターズは世界のアマチュアとプロフェッショナルの双方の向上を図る機会を作り出すことを最優先しており、昨年、国際舞台あるいはトップレベルのアマチュアの舞台で才能を存分に発揮した2名を特別招待することを決めた。4月に彼らを迎え入れることを楽しみにしている」と述べた。

 27歳の比嘉はJGTO(日本ゴルフツアー機構)で通算6勝の実績。そのうちの4勝を2022年に挙げ、昨季の賞金ランキング1位に輝いた。世界ランキングは現在68位。昨年末時点で世界ランキング50位以内に入っていれば、その時点でオーガスタ・ナショナルへの切符を手に入れることができたが、それは叶わなかった。

 それでも比嘉は希望を捨てず、マスターズ前週時点で50位以内に食い込む道に望みを託して、今年は欧州のDPワールドツアーに参戦する意思を示すなど海外挑戦にも意気込みを見せていた。昨年の日本ツアーにおける輝かしい実績に加え、そうした積極姿勢も評価され、オーガスタ・ナショナルから特別招待がもたらされた。

 米国のアマチュア、サージェントはアラバマ州出身で、テネシー州のバンダービルト大学に通う19歳。昨年、大学1年生にしてNCAA選手権で個人優勝を果たす快挙を成し遂げ、現在、世界アマチュア・ランキング4位に付けている。

 マスターズに出場できるアマチュアと言えば、現在の規定では、全米アマチュア選手権や全英アマチュア選手権、全米ミッドアマ選手権、あるいはアジア・パシフィック・アマチュア選手権やラテン・アメリカ・アマチュア選手権の優勝者(全米アマは2位も含まれる)となっており、サージェントはマスターズから特別招待を受けて出場する2000年以来、初のアマチュアとなった。

 オーガスタ・ナショナルは昨年12月に「マスターズの従来の出場資格を満たしている選手すべてを2023年マスターズに招待する」ことを正式に発表。それは「出場資格を満たしていれば、リブゴルフ選手も制限することなく、マスターズに迎え入れる」という意思表示だった。これにより、リブゴルフ選手16名を含めた78名の選手に招待状が発送された。

 その際、リドレー会長は「最高のフィールドを作り出すことがマスターズの願い」であることを強調。特別招待の2名を加えた現在80名がオーガスタ・ナショナルの土を踏む。

 その「ベスト・フィールド」を構成する一員として、日本の賞金王である比嘉と米国のアマチュア、サージェントに特別招待が贈られたことは、日本のゴルフ界にとっても、アマチュア・ゴルフ界にとっても、とても誇らしいビッグニュースである。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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