Yahoo!ニュース

日経平均株価がブラックマンデー以来の下げ幅に #専門家のまとめ

久保田博幸金融アナリスト
(写真:つのだよしお/アフロ)

 8月2日の東京株式市場では日経平均が2216円の下落となり、1987年10月20日のいわゆるブラックマンデーで3836円下げて以来の大幅な下げ幅となった。これは1日に発表された米国の経済指標を受けて、米経済減速の兆しが意識されたこと、円高が進行したことで、企業業績の下振れにつながるという観測、さらに株高をけん引してきた半導体などのハイテク株への高い期待も後退するなど複数の要因が重なったためとみられる。

ココがポイント

▼2日の東京株式市場は取り引き開始から全面安の展開となり、下落幅が2000円を超える急落となった

「株価 終値2200円以上値下がり 終値では過去2番目の下落幅(NHK)」

▼相次ぐ経済指標の悪化で米国景気の先行き懸念が広がり、投資家の間でリスク資産の保有を減らす動きが強まった

「日経平均ブラックマンデー以来の下げ幅、米景気懸念直撃(ブルームバーグ)」

▼ドル安/円高基調のほか、米国市場で弱い経済指標の結果を受けて、米国株が急落したことが嫌気された。

「日経平均は大幅続落、円高と米景気減速感で 今年最大の下げ(ロイター)」

エキスパートの補足・見解

 ここで注意すべきは、日経平均はたしかにブラックマンデー以来2位の下げ幅となったが、下落率は5.8%と歴代29位にとどまっていたこと。これはつまり日経平均が一時4万円を超えて史上最高値を更新するなど、絶対水準が上昇していたことで、下げ幅が大きくなっていたということになる。過去最高値まで上昇していた反動売りが入ったとの見方もできる。米国株式市場では発表された経済指標の悪化などを受けてFRBの利下げの可能性をこれまで意識されていたが、1日は景気の悪化のほうが意識されて下落するなど、相場の地合に変化もみえていた。海外投資家などが日経平均先物の買いポジションの一部を解消するなどしてきたとみられる。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

牛さん熊さんの本日の債券

税込1,100円/月初月無料投稿頻度:月20回程度(不定期)

「牛さん熊さんの本日の債券」では毎営業日の朝と引け後に、当日の債券市場を中心とした金融市場の動きを牛さんと熊さんの会話形式にてお伝えします。昼には金融に絡んだコラムも配信します。国債を中心とした債券のこと、日銀の動きなど、市場関係者のみならず、個人投資家の方、金融に関心ある一般の方からも、さらっと読めてしっかりわかるとの評判をいただいております。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

久保田博幸の最近の記事